活動報告 - 俳句同好会カテゴリのエントリ
◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。今回も新しい方の投句がありました。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
・1月の作品の紹介
・1月の兼題は、「雑煮・喰積」・当季雑詠で計3句です。
俵木 陶光
・予報士の顔引き締めて雪を追ふ
岡村 一道
・不意の客におせちの味見大晦日
芳村 翡翠
・一椀に海あり山あり餅もあり
片山 朝陽
・一椀の七種粥に野の息吹き
安西 円覚
・悲しい時は泣けばいいのさ霜柱
峯岸 まこと
・言問を渡り七福詣かな
長岡 帰山
・初暦壁に巻きぐせつきしまま
中邑 雅子
・故郷に続く空あり初山河
小林 美絵子
・はつそらの碧しふるさと東京は
坂井 百合子
・最後よと母の振る舞ふおせちかな
五井 夢
・遥かなる初不二幾十(いくそ)青海波
浦田 久
・冬将軍迎え討つ我重装備
堀 秀堂
・四代を重ねし味の雑煮かな
山下 天真
・小鳥来る雑煮の朝の小庭かな
村林 小枝子
・めでたさを呼ぶ小松菜の雑煮かな
関口 静安
・ふと覚めて深夜放送年の暮
寺崎 由岐子
・初詣にぎはふ人にまぎれけり
◆<私の一句>
木の葉髪怒髪天突く余生なり 芳村 翡翠
これは、「朝日俳壇」(平成29年1月16日)金子兜太選となった句です。
作者としてはリズムが調わない点であまり感心した句ではありませんが、選を受けたことでは喜んでおります。
上五の、「木の葉髪」は冬の抜け毛を落葉にたとえた冬の季語で、冬の季節とあいまって侘しさを感じます。
中七の、「怒髪天突く」は正しくは「怒髪天を衝く」であり、はげしい怒りのために逆立った頭髪の様をいうもので、昔、中国で謀反の企てを知った王の怒髪が、冠を突き上げるほどに逆立ったことに由来しています。
下五「余生なり」だけが小生のものです。そんなことで、深く考えて投句したわけでもなく、投句したことも忘れていましたが、発表をみて、驚きました。
俳句は自分独りで、作るものでなく、また、いったん出来上がった以上は、独り立ちして、読みてが、「そうだ、そうだ」と共感したときに、初めて完成するものだと思っています。。
作者と読み手との共同作業によるものです。。
ここのところは大事で、芭蕉の多くの句が、時代を超え、多くの人々に愛されているのも、多くの句が、多くの人々の心を捉えていることによるものだと思います。
ちょっと大袈裟かも知れませんが、これからも、そのような句をつくるように精進したいと思っています。
◆次回の定例句会は、2月11日(土)午後1時〜3時40分
於 高井戸地域区民センター
兼題は「春待つ」・当季雑詠で計3句です。
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
TEL 090-3145-2654
◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)
◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。今回も新しい方の投句がありました。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
・12月の作品の紹介
・12月の兼題は、「百合鷗・都鳥」・当季雑詠で計3句です。
俵木 陶光
・三日月の見守る「武蔵」最期かな
岡村 一道
・虎徹今静かに眠る冬日かな
芳村 翡翠
・乱舞する青のキャンバスゆりかもめ
峯岸 まこと
・多摩川の先に遠嶺都鳥
安西 円覚
・五線譜に不明な音符冬の蠅
片山 朝陽
・燃え尽きるとき女優にも紅葉にも
長岡 帰山
・ナホトカへ船出の港ゆりかもめ
中邑 雅子
・華やかに客船入港冬鷗
小林 美絵子
・呼びかけに返事をするか百合鷗
坂井 百合子
・佐賀錦織り散らしたる山もみじ
五井 夢
・都鳥黒波ラッシュに浮き沈み
浦田 久
・岩手富士抱きし白鳥乱舞かな
堀 秀堂
・高千穂の御神楽魅入る秋の宮
山下 天真
・百合鷗北の便りは穏やかに
村林 小枝子
・万両は僧侶の如く慎ましく
寺崎 由岐子
・からっ風りんごのようなほっぺの子
◆<蕪村の詩について> 俵木 陶光
与謝野蕪村は昨年生誕三百年の年であった(忌日は陰暦12月25日)。大阪から20才頃、江戸に移り俳句と絵画をしながら生活し茨城の結城に居を移し、東北にも旅をしている。その後京都、丹後の与謝にも住み、「与謝」と姓を名乗ってゆく。漂泊の人でもあった。
結城時代には多くの俳人達と連句で交友を広め早見晋我(北寿)とも深く交わっていた。彼の死の知らせを受けてこの40才以上も年上の友を悼む詩を作っている(一部割愛・蕪村30才)。この詩が世に知られるようになったのは、これより半世紀後、蕪村没後であった。
<北寿老仙をいたむ> 蕪村
君あしたに去ぬゆうべのこころ千々に
何ぞはるかなる
君をおもうて岡のべに行きつ遊ぶ
岡のべ何ぞかくかなしき
蒲公の黄に薺(なづな)のしろう咲きたる
見る人ぞなき
雉子(きぎす)のあるか ひたなきに鳴くを聞けば
友ありき河をへだてて住みにき
へげのけぶり(注1)のはと打(うち)ちれば西吹く風の
はげしくて小竹原(をざさはら)真(ま)すげはら
のがるべきかたぞなき
友ありき河をへだてて住みにき
今日はほろりとも鳴かぬ
君あしたに去ぬゆうべのこころ千々に
何ぞはるかなる
(注1)へげのけぶり=変り果てた煙
蕪村はまた画家としても高く評価され、池大雅の「十便図」とともに「十宣図」で、また「夜色楼台図」が国宝となっている。その外に六曲一隻の「奥の細道図」や「鳶鴉図」なども。
ここで蕪村の代表的な句を挙げてみたい。
・鳥羽殿へ五六騎いそぐ野分かな
・夏河を越すうれしさよ手に草履
・月天心貧しき町を通りけり
・老が恋わすれんとすればしぐれかな
・春の海終日(ひねもす)のたりのたりかな
・なの花や月は東に日は西に
・しら梅に明(あく)る夜ばかりとなりにけり
◆次回の定例句会は、1月21日(土)午後1時〜3時40分
於 高井戸地域区民センター
兼題は「雑煮・喰積(くいつみ)」当季雑詠で計3句です。
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
TEL 090-3145-2654
◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)
◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。今回も新しい方の投句がありました。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
・11月の作品の紹介
・11月の兼題は、「秋(後半)」・当季雑詠で計3句です。
俵木 陶光
・秋風やベンチの上の紙コップ
岡村 一道
・鴨供に白鳥ボート水戸の湖(うみ)
芳村 翡翠
・いつしかに忍びよる齢(とし)秋の暮れ
峯岸 まこと
・望の月さざ波煌めく近江の海
安西 円覚
・揺るる葉と共に揺るるや赤とんぼ
片山 朝陽
・神の留守大うそを一つついてみる
長岡 帰山
・秋刀魚焼く五臓六腑を煙らせて
中邑 雅子
・散策の終はりししるし草じらみ
小林 美絵子
・酒々(ささ)蔵の一本柱菊日和
坂井 百合子
・ひよどりの声吸い込みて空青し
五井 夢
・万葉(ばんよう)に白光照り映え秋駆ける
浦田 久
・秋冷や肩すぼめ見る温度計
堀 秀堂
・陸蒸気唱歌のリズム秋駆ける
関口 静安
・鮮やかや見渡す山と柿落葉
山下 天真
・一椀の茸に森のけはひかな
村林 小枝子
・秋深く部屋に戻せし鉢の列
寺崎 由岐子
・ながれゆく秋の夕暮あかね雲
◆<武蔵国分寺 吟行記> 安西 円覚
雲一つない良い天気の冬の吟行会は、10時30分、西国分寺駅からスタートし、20分ほど歩き先ず立ち寄ったのは国分寺薬師堂だった。武蔵国分寺の創建は天平勝宝2年(750年)頃と言われていますが、元弘3年(1333年)「分倍河原の戦い」で焼失した。
翌々年、新田義貞により薬師堂が再建され、安永4年(1775年)、現在の場所に建て替えられた。安置する薬師如来坐像は国の重要文化財である。
鵯(ひよどり)の鳴き交わしゐる薬師堂 陶光
仁王門は宝暦10年(1760年)頃の建立。仁王門には、何故かミツバチの巣が有り十匹以上飛びまわっていた。
仁王像冬みつばちと戯れり 百合子
蜜蜂にしたはれをりし仁王門 陶光
小六月何を睨むか阿吽象 円覚
冬日漏れ石段下る薬師堂 一道
武蔵国分寺跡資料館で、依頼していたボランティアのガイド2名と落ち合う。出土品や当時(750年頃)の人々の生活ぶりの解説を聞く。出土品の中に何種類かの瓦(重そうな)が幾つも展示されていた。漆も頻繁に使われていたようだ。
天平の香り漂ふ秋日かな 朝陽
国分寺崖線の下から流れ出た湧水を見ながら万葉植物園に入る。万葉集に歌われた160種の植物が例歌とともに展示されている。
湧水や落葉流せり武蔵国 天真
万葉園枯木枯草和歌詠みぬ 一道
そこより2〜3分で武蔵国分寺跡 金堂・七重塔跡に着く。741年、聖武天皇は鎮護国家を祈念して、諸国に国分寺を建立するように命じた。武蔵国分寺跡と関連する遺跡は、東西1.5km、南北1kmに及び、諸国の国分寺跡と比べ規模が大きく、歴史的にも重要なことから大正11年に国史跡に指定された。
七重塔鎮護台地の秋の草 秀堂
天平の礎石に座して小春かな 百合子
ガイドの丁寧な解説により、天平の国分寺跡がより現代に蘇ってくる錯覚に皆陥ったようでした。
けやき落葉天空に舞ふ国分寺 陶光
約2時間余りの散策の後、句会場の駅前の「いずみホール」へ戻り日暮れの5時まで句会を行った。その後、荻窪駅前の一軒に立寄り反省会となった。
◆次回の定例句会は、12月10日(土)午後1時〜3時40分
於 高井戸地域区民センター
兼題は「都鳥(百合鴎」・当季雑詠で計3句です。
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
TEL 090-3145-2654
◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)

◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。今回も新しい方の投句がありました。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
・10月の作品の紹介
・10月の兼題は、「秋の風」・当季雑詠で計3句です。
俵木 陶光
・誰もいない象のステージ秋の風
岡村 一道
・走り蕎麦老舗といへど音高く
芳村 翡翠
・男ゐて一人は無口秋の風
片山 朝陽
・秋風や阿修羅の瞳いよよ澄み
安西 円覚
・万葉を風が捲(めく) るや居待月
峯岸 まこと
・観音のゆびおとがひに秋の風
長岡 帰山
・思はざる山よりぬっと望の月
中邑 雅子
・秋立つや新規講座の通知来る
小林 美絵子
・秋風にふかっと含む薄茶かな
坂井 百合子
・模様替えしてみたくなる秋の風
五井 夢
・やせ烏濡れ羽青き吾秋の風
浦田 久
・棚田にも煙たなびく秋の風
堀 秀堂
・秋の風戦国時代の城巡り
関口 静安
・秋風に乗って飛べ飛べグライダー
山下 天真
・晴ればれと検査結果や秋の風
村林 小枝子
・還暦の空手一筋柿実る
寺崎 由岐子
・縁の下淋しくないかこおろぎよ
◆<私の一句>
雨を呼ぶ投込寺の濃紫陽花 俵木 陶光
新宿の靖国通りに面した所に成覚寺という古い寺がある。創建は文禄三年(1594年)で、まだ片田舎の寺に過ぎなかった。慶長八年(1603年)徳川の世になると江戸が天下の中心となり、住人も増えて来た。また江戸五街道の内、甲州街道の第一番目の宿場が下高井戸辺でかなり江戸の中心部より遠かった。また下級武士達が浅草、吉原に出かけて行くのも大変であったことに目をつけた浅草辺の商人達がこの辺に遊郭など建てたら一儲できると踏んで、幕府の上層部に大枚の賄賂を積み新しい宿場(内藤新宿)を設けることを実現させた。
それから遊郭や宿が建ちはじめ、遊女や非公認の飯(めし)盛女が増えて来た。身売されて来た彼女達の停年?は27才。酷使され、それ以前に亡くなると、着ている衣服も剥がされ筵(むしろ)などに包まれてこの成覚寺に担ぎ込まれて来た。長年に亘りその数2千人ともそれ以上とも。
この寺は道路から石段を下りた所に本堂や墓地があり、如何にも投込寺と言った感じだ。その一角に「子供合埋(ごうまい)碑」と彫られた墓碑が立っている。子供とは飯盛女のことで、雇主と親子の関係にさせられたのである。この石碑も明治に近くなってから建てることになった。
成覚寺の隣り正受院という寺があり、奪衣婆(だつえば)が祀ってある。三途の川を渡る者の衣服を剥ぎとる婆であるが、咳止めの霊力があるということから大ブレークした不思議な寺。
これらの寺の裏側に回ると大きな太宗寺があり内藤家の菩提寺となっている。新宿御苑は内藤家の下屋敷があった所で、明治になると新政府に帰属し、第二次世界大戦の空襲で建物などは焼失し、現在は大名庭苑として玉藻池といくつかの石灯籠だけがその面影を止めている。
紫陽花の雨を貰ひし玉藻池 陶光
◆次回は、吟行と定例句会を行います。
・吟 行: 11月12日(土)午前10時30分
JR西国分寺駅改札口 集合
<史跡武蔵国分寺跡を散策>
・定例句会:同日午後1時30分より午後5時頃まで
西国分寺駅南口前「いずみホール和室」にて
定例句会兼題は
「秋(後半期を中心に)」・当季雑詠で計3句
兼題は11月5日(土)までに郵送して下さい。(陶光宛)
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
TEL 090-3145-2654
◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)
◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。今回も新しい方の投句がありました。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
・9月の作品の紹介
・9月の兼題は、「残暑・秋暑し」・当季雑詠で計4句です。
俵木 陶光
・自転車のライト一すじ虫の原
岡村 一道
・軽鳥(かる)の子の無事を確認解散す
芳村 翡翠
・秋暑し色の褪せたる帽子かな
峯岸 まこと
・狩衣でコキリコを舞ふ夏座敷
片山 朝陽
・こおろぎや遥か太古の笛の音か
安西 円覚
・秋暑し乳房にタトウ有る女
長岡 帰山
・休み田の亀裂の深き残暑かな
中邑 雅子
・秋暑し咲き継ぐ花の色濃くて
小林 美絵子
・ねえバッタ空飛びたいと思わない
坂井 百合子
・帰りきて皆押し黙る残暑かな
五井 夢
・影纏ふ残暑に響くハイヒール
浦田 久
・風立ちて頬を撫でるも秋暑し
堀 秀堂
・雲の渦残暑の雨や降り過ぎる[size=lar
山下 天真[/size]
・間のびする烏一声残暑かな
村林 小枝子
・吹く風に見上げる空は鰯雲
上村 凱山
・がぶがぶと水呑む馬の秋暑し
寺崎 由岐子
・子らはしゃぐ声の遠のく残暑かな
◆<吟行>
小江戸 川越 俵木 陶光
最近テレビで「小江戸 川越」を見た。以前、帰山さん、元会員の郁子さんと川越へ出かけたことがあった。
まず喜多院を目指した。駅から15分、途中道端の一区画に寛永15年の大火で焼き出され、帰るところを失ったと思える石像群を見た。特に供養されている様も見えなかった。喜多院は北院で中院、南院もあり、南院は廃院となっている。
それぞれの向きに黴(かび)ある石地蔵 陶光
喜多院は慈覚大師が無量寿寺として開いたのが始まりで、その後天海僧上の着任により中院は寺域外に移され、喜多院から寺領30石を配当されたと言うから、さすが天海というべきか、中院の人達の心中や如何に。今の中院の庭は見事であった。
中院に梯子の見えて松手入 帰山
次に仙波東照宮に寄る。徳川家康70歳で他界し久能山に葬られ翌年日光に改葬される途上、川越に立ち寄り天海僧上により4日間に亘り大法要が営まれた。これまた天海。
売店で団子などを食べてひと休み。
奪衣婆(だつえば)に脱がされしまま蛇の皮 帰山
濃紫陽花玩具の如き太鼓橋 陶光
寛永15年の大火で喜多院も焼失したが、徳川家光は家光誕生の間、春日局の化粧の間などを移築し客殿などに当てている。
金色の阿弥陀如来や梅雨座敷 陶光
喜多院の廊下のきしみ梅曇り 郁子
境内に五百羅漢が祀られている。中央に釈迦如来、阿弥陀如来などの大きな石像を囲み、多くの 羅漢像が思い思いのポーズで屈託のない表情をしている。酒を酌み交わしている者など庶民の生活唄のある者など笑い声が聞こえて来るようであった。
羅漢みな福耳なりし木下闇 帰山
といふ訳さなどと羅漢に風薫る 陶光
泥棒橋を渡り外界へ出た。高さ27メートルの大銀杏、蔵造りの街並、時の鐘、菓子屋横丁などに立ち寄り、市役所の目の前「百丈」という手打そば屋に寄る。2時を廻っていたのでさっそく酒を注文した。
梅雨休み稲荷の銀杏青々と 郁子
蕎麦すする箸の高さに夏の風 帰山
ふと見れば白雨来てをり句座の窓 陶光
帰りは駅までタクシーに乗り別れを惜しんだ。
◆次回の定例句会は、10月8日(土)午後1時〜3時40分
於 久我山会館
兼題は「秋の風」・当季雑詠で計3句です。
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
TEL 090-3145-2654
◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)