活動報告 - 俳句同好会カテゴリのエントリ
◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
・2月の作品の紹介
・2月の兼題は、「寒一切」・「当季雑詠」で3句です。
出題:安西 円覚
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・川波の手がひらひらと寒明くる 飯田 蛇笏
・われら一夜大いに飲めば寒明けぬ 石田 波郷
・盆地は灯の海山脈は寒茜 福田 甲子雄
・寒鴉老太陽を笑ふなり 小澤 實
・水滴の天に余寒の穴ひとつ 上田 五千石
・寒の水飲み干す五臓六腑かな 細見 綾子
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俵木 陶光
・寒明の港に船の戻りけり
岡村 一道
・江ノ島を攻める寒波ときの声
芳村 翡翠
・拍子木の高く響ける寒九かな
安西 円覚
・寒明けぬ寅さん上映船の中
片山 朝陽
・句心は冬眠中と伝へけり
堀 秀堂
・寒風の入浴延々猿一家
小林 美絵子
・冬萌や海みつめ朽ちトーテムポール
中邑 雅子
・救急車の音近くにて止む霜夜かな
坂井 百合子
・寒明けと言えど眼球しみる朝
村林 小枝子
・寒の朝室外機に寝る黒猫
五井 夢
・闇深深(しんしん)星座教えし寒の子や
荻須 節子
・寒椿古民家カフェの柱傷
菊池 幸
・静寂を切り裂く竹刀寒稽古
山路 久美子
・寒晴や開港の街汽笛鳴る
吉野 かおる
・やうやうに氷張りたる今朝の庭
尾崎 すず野
・オリオンの一つが暗し豆を撒く
◆「私の一句」
木枯の夜更けて止みし黄泉(よみ)の国 陶光
光と音のない世界は何とも恐ろしさを感じる。密会の時はいざ知らず、太古の時は更に強く感じたに違いない。
当時、中学生の娘と夜の軽井沢の繁華街を散策していた時、気がついたら娘の姿が見えなくなっていた。あたりを必死で捜したが見当らず途方に暮れてしまった。ひとまず宿泊していた学生寮に戻って捜索願いを出さなければと思って急いで帰った。寮までの道は所々電灯はあるものの人家は殆んどない暗い長い夜道である。ところが部屋に戻って見ると娘が平気な様子でいた。力が抜けた思いであった。ちゃんと昼間歩いた道を記憶していたのだ。
ふと、高浜虚子の「黄亀子擲(なげう)つ闇の深さかな」を思いだした。石ころを投げたわけではなかったのだ。夜中に雨戸を開けてみると外は真の闇であった。
◆次回の定例句会は、3月14日(土)13時~15時40分
於 久我山会館
兼題は、「春泥」・「当季雑詠」で3句提出
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
TEL 090-3145-2654
◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
・1月の作品の紹介
・1月の兼題は、「雑煮」・「当季雑詠」で3句です。
出題:安西 円覚
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・揺らげる歯そのまま大事雑煮食ふ 高浜 虚子
・ひそひそと雑煮食ひたる夫婦かな 尾崎 紅葉
・患者診しあとの雑煮となりにけり 下村 ひろし
・やはらかに生き熱く生き雑煮餅 林 翔
・物足りてこころうろつく雑煮かな 金子 兜太
・山々の高くぞありし雑煮かな 石田 勝彦
・馴染むとは好きになること味噌雑煮 西村和子
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俵木 陶光
・初日の出天の岩戸を開けるごと
岡村 一道
・百人一首詠む元日の声一つ
芳村 翡翠
・パプリカの雑煮を食べて春が来た
安西 円覚
・右手にマイク左手に猪口吹雪の夜
片山 朝陽
・箱根路や襷でつなぐ初景色
堀 秀堂
・永らえて四代女性の雑煮食む
小林 美絵子
・雑煮椀ふた手を添えて三歳児
中邑 雅子
・ふるさとを遠くに置きて雑煮椀
坂井 百合子
・思春期の黙々と食む雑煮かな
村林 小枝子
・一人いて四角な雑煮わが雑煮
五井 夢
・月うさぎ臼搗く杵に虹の餅
荻須 節子
・ウルトラマン戦い終えて雑煮食う
菊池 幸
・竹林に風そよがせて年明くる
山路 久美子
・ゲレンデに響く花火や去年今年
吉野 かおる
・雑煮椀向かひし夫も畏まり
尾崎 すず野
・ちぎれては闇にぶつかるどんどの火
◆今回は「私の一句」はお休みします
◆次回の定例句会は、2月8日(土)13時~15時40分
於 高井戸地域区民センター
兼題は、「寒の字の入ったもの一切」・「当季雑詠」の3句提出
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
TEL 090-3145-2654
◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
・12月の作品の紹介
・12月の兼題は、「初霜」・「当季雑詠」で3句です。
出題:安西 円覚
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・初霜や百頭の牛動きをり 宮坂 静生
・初霜や墨美しき古今集 大嶽 正字
・初霜や斧を打ち込む樹の根っこ 秋元不死男
・初霜や犬に嗅がるる膝頭 松本三江子
・初霜のあるかなきかを掃きにけり 鷹羽 狩行
・初霜の箒目渦の紋様に 福原 幸子
・山頂の樹々初霜の来たる色 茨木 和生
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俵木 陶光
・初霜や校門走り走り込む
岡村 一道
・初霜の金魚の墓を囲みけり
芳村 翡翠
・しらじらと初霜敷ける今朝の庭
長岡 帰山
・冬めくや見舞ひし妻の小さき顔
安西 円覚
・初霜や羊群大地踏みつけぬ
片山 朝陽
・音程の外れしラッパ社会鍋
堀 秀堂
・初霜や川面湯気立つ朝日和
山下 天真
・雨上り霜天に満ち日は落ちる
小林 美絵子
・起業する人へ白いポインセチア
中邑 雅子
・初霜やはや消えゆきぬ朝の道
坂井 百合子
・初霜を見られぬ都会暮らしかな
五井 夢
・初霜や眠らぬ地底の息吹き聞く
荻須 節子
・初霜の車の窓にへのへのと
菊池 幸
・冬めきてみそ汁の味濃く深く
山路 久美子
・陽の光温もり求めて石蕗の花
吉野 かおる
・枯枝のモザイク模様青き空
尾崎 すず野
・棒立ちになれば銀杏の降りしきる
◆私の一句
「早春の高尾谷川清々し」 俵木陶光
高尾山がまだ静かな時の話である。
白門中野支部のハイキングに便乗して高尾山へ登った。春先の山は快晴であったが、冴え返る冬日でもあった。総勢22名六号路に入った。
・琵琶滝の嫋々として春浅し
滝の傍に岩屋大師が岩の凹(くぼみ)にあり、修験者が蝋燭を何本も立て経を唱えていた。坂も段々急になっていた。高尾山を軽く見た訳ではないが結構大変であった。体を鍛えてないので止むを得ない。山頂手前の二百段の階段も然り。それだけに山頂で見た富士の姿には感激した。
・真白な富士正面に輝けり
山頂から陣馬山に向かう辺を奥高尾という。
・奥高尾はがねのこゑの霜柱
これは多摩キャンパスの句碑「霜柱はがねのこゑをはなちけり」(石原八束)へのご挨拶。一丁平へ着くまで霜柱が続いていた。一丁平には東屋風の小屋がいくつかあり、その一つに陣取って、きりたんぽ鍋の会が始まった。ガスコンロに鍋が二つずつ、きりたんぽが36本、鶏肉1200g、調味料、ビールに日本酒、デザートの苺やみかん、女性達の力によるところ大であった。色々話が弾んだ。帰りには、今度納涼屋形船でもという話まで出た。(が話だけに終わった)
帰途は稲荷コースを辿ることになった。ふと、山道に貼り紙が目に入った。「このたび妻が骨折したため店が開けませんのでご諒承下さい」というものであった。旦那の傷心がよくわかる。見晴台があって小休止。筑波山は見えなかったが都心がぼんやり見えた。
・新宿は蜃気楼の中春霞
皆足が早く軽々と下ってゆく。やがて下界の物音が聞こえ始め、何とか皆に追いついた。帰りは京王線で一人、きりたんぽの夢を見ていた。
・くたびれて睡魔たちまち目借時
◆次回の定例句会は、1月11日(土)13時~15時40分
於 高井戸地域区民センター
兼題は、「雑煮」・「当季雑詠」の3句提出
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
TEL 090-3145-2654
◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
・11月の作品の紹介
・11月の兼題は、「立冬」・「当季雑詠」で3句です。
出題:安西 円覚
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・立冬のあとの青空松葉降る 阿部みどり女
・斧あてし枝の切口冬に入る 山口 誓子
・冬に入る水に夜毎の月明り 飯田 龍太
・塩甕に塩ぎっしりと冬に入る 福永 耕二
・立冬の横に引きぬく串団子 古舘 曹人
・投函の封書の白さ冬に入る 片山 由美子
・跳箱の突き手一瞬冬が来る 友岡 子郷
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俵木 陶光
・カワカワと烏ねぐらへ冬に入る
岡村 一道
・わが人生八十路で咲きし狂ひ咲
芳村 翡翠
・箱根山冬一斉に来りけり
長岡 帰山
・托鉢の駅頭に立つ冬初め
安西 円覚
・天麩羅のカラッと揚がり冬に入る
片山 朝陽
・天上に大漁ありや鰯雲
堀 秀堂
・立冬や湖水にゆれる逆富士
山下 天真
・爪先にふとんの温み冬立つ日
小林 美絵子
・立冬の夜生まれし子髪黒く
中邑 雅子
・木々の影のかそけくなりて冬に入る
坂井 百合子
・結露せる勝手口より冬来る
五井 夢
・義妹(いも)の唯々罪に凍うる冬の檻
荻須 節子
・冬来たる似顔絵描きの居た舗道
菊池 幸
・ミシン踏むリズムに合わせ菊香る
山路 久美子
・絹雲にまぎれて薄き昼の月
村林 小枝子
・冬の朝とんとこ走る小さき音
吉野 かおる
・朱(あけ)き火に城(ぐすく)囚われ冬立ちぬ
尾崎 すず野
・水平線のゆるぎなき紺冬に入る
◆私の一句
「護国寺の富士山頂や爽やかに」 俵木陶光
晩秋の「歩こう会」というグループは、護国寺からスタートした。ここは徳川綱吉の生母桂昌院の祈願寺として創建された、格式の高い寺である。ここにも富士山信仰に基づく富士塚があり、二、三分で頂上に着く。今でも眺めはいい。本ものの富士山に登った気もする。
日本女子大学に立ち寄り神田川に出た。
神田川なのに江戸川公園、江戸川橋とはこれ如何に、と調べて見ると、井の頭池などからの川は、飯田橋までを江戸川、そこから先を神田川と称していたようだ。また、この辺に堰を設け、神田上水として飲料水を江戸に送っていた。その工事に松尾芭蕉も係わっており、その宿舎などを後に「芭蕉庵」と称した。現在無料で開放されているが、人影もない。
・山茶花の散る古池や芭蕉庵 陶光
新江戸川公園にも人影はなく、雪吊り姿の松が二本池に影を映していた。
庭園の急斜面に葛折りの道があり、登り切ると永青文庫がある。庭園の外側からだと、坂道が一直線に伸びている。胸突坂とある。
永青文庫で書を、講談社記念館で絵を鑑賞し、東京カテドラルのルルド洞窟なども見た。
最後は椿山荘を通り抜け、江戸川公園に出、心地よい疲れを残したまま再会を約した。
・高だかと紙コップ挙げ秋惜しむ 陶光
◆次回の定例句会は、12月14日(土)13時~15時40分
於 高井戸地域区民センター
兼題は、「初霜」・「当季雑詠」の3句提出
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
TEL 090-3145-2654
◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
・10月の作品の紹介
・10月の兼題は、「紅葉」・「当季雑詠」で3句です。
出題:安西 円覚
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・大紅葉燃え上がらんとしつつあり 高浜 虚子
・障子しめて四方の紅葉を感じをり 星野 立子
・この樹登らば鬼女となるべし夕紅葉 三橋 鷹女
・恋ともちがふ紅葉の岸をともにして 飯島 晴子
・義仲や臓腑のごとき紅葉山 大串 章
・全山の紅葉に対す一戸なり 永島 靖子
・手に拾ふまでの紅葉の美しき 和田 順子
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俵木 陶光
・遠山を背に城跡の夕紅葉
岡村 一道
・片袖づつ濡らす若さや秋時雨
芳村 翡翠
・箱根山渓に斜めのうすもみじ
長岡 帰山
・月ひとつ田毎に浮かぶ千枚田
安西 円覚
・鴉鳴く夕日がくれの紅葉山
片山 朝陽
・一湾に余る綺羅星空仰ぐ
堀 秀堂
・紅葉の手今や大人の運刻み
浦田 久
・逝きし友夢での再会握手かな(無季)
山下 天真
・老松に寄り添ふごとく蔦かずら
小林 美絵子
・サッカーにラグビーに風栗茹でる
中邑 雅子
・散り敷ける紅葉そのまま雨になる
坂井 百合子
・夕紅葉たちまち闇に包まれリ
五井 夢
・万紅(ばんこう)みしや少女は叫ぶ温暖化
荻須 節子
・シナモンの匂ひのする木紅葉す
菊池 幸
・秋雷や夢の続きを見損ない
山路 久美子
・湯けむりに見えつ隠れつ初紅葉
村林 小枝子
・幼な児や集いて拝む彼岸花
吉野 かおる
・秋扇舞ひ納めしやシラク逝く
尾崎 すず野
・引っぱれば空落ちてくる蔦落葉
◆私の一句
「校庭にあふれんばかり赤とんぼ」 俵木陶光
小学校の校庭を沢山の赤とんぼが同じ高さを保ったまま飛び回っているのを放課後よく見かけた。
中村汀女の「とどまればあたりにふゆる蜻蛉かな」
沢木欣一の「あきつ湧き宙にとどまる地獄谷」
を髣髴させるものであった。
赤蜻蛉は遠い山頂、時には3千メートルの山地に移り気温の低下とともに低地に降りて来る。赤くなるのは雄だけであると言う。雌は麦藁とんぼである。
・甲斐駒の雲の高さに赤蜻蛉 堀口星眠
風天の寅さんこと渥美清にこんな句がある。「赤とんぼじっとしたまま明日どうする」。杭に止まっているけれど、ふいっと飛び立つとどこへ行くかわからない。ひとりぽつんと。風来坊の俺みたいに、と。尾崎放哉、種田山頭火に通じるものがある。俳句は永六輔の句会に加わったのが最初で200句以上の句を残したようである。(平成6年68才で没)
赤とんぼは童謡にもよく歌われている。
・夕やけこやけの赤とんぼ/負われて見たのはいつの日か
十五で姐やは嫁に行き/お里のたよりも絶えはてた
・とんぼの眼鏡は虹いろ眼鏡/夕やけ雲をとんだから
一寸逸れるが、ちあきなおみの「新宿駅裏紅とんぼ」は切ない。小生の俳句の師匠(川津鱒子)や月山さんとは新宿の大ガード付近の地下のバー「入舟」にはよく通ったものだった。そこのママさんも武蔵野俳句会の仲間でもあった。
・爪切ってつくづくひとり梅雨の夜 須永冨子
・春泥の足袋替ふ人の肩かりて 〃
◆次回の定例句会は、11月9日(土)13時~15時40分
於 高井戸地域区民センター
兼題は、「立冬」・「当季雑詠」の3句提出
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
TEL 090-3145-2654