活動報告 - 俳句同好会カテゴリのエントリ
◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時から4時まで、主として久我山会館で開催しております。(出席者は10名程度)
一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の数名の作品を紹介いたします。
・5月の作品の紹介
・5月の兼題は、春愁、新緑です。
◎山口満(俳号・月山)
・青銅の馬いななくや青嵐
・新緑やしづまりかへるダムの水
◎堀秀夫(俳号・秀堂)
・春愁やがれきの山の海静か
・春愁や「故郷」歌ふ合唱団
◎長岡隆司(俳号・帰山)
・葉桜や過ぎし月日の見えかくれ
・たかんなの耐震構造十二階
◎峯岸誠(俳号・まこと)
・囀りや瀬音の混じる懐古園
◎伊尾喜小夜子
・新緑や光の中へ子等の声
◎岡村一道
・新緑をのみ込む嬰児大欠伸
◆<私の一句> 岡村一道
・肋骨のごとく陸中初明り
・古本街吾だけ駈けて冬の雲
一句目が平成元年一月、二句目が平成元年二月に朝日俳壇金子兜太先生の天賞に選ばれました。昭和48年、あるきっかけがあり結社に入会し俳句を作りはじめました。それから約十年仕事は多忙でしたが月一回上野文化会館にて開かれる例会に出席し頑張ってきましたが私が未熟であったのか結社との相性が悪かったのかあまり評価されず俳句がつまらなくなっていました。その上業務の上でも多忙な年代を迎えたこともあり俳句をやめる決意をし結社を退社いたしました。それから五、六年業界の俳句同好会に加わる一方新聞俳壇の投句をはじめました。そして先の二句が俳句を人生の友としようと決意させ現在に到る大きなターニングポイントとなりました。
金子兜太評:1句目「岡村氏の句は旅吟と思うが、別のとき体験した陸中海岸を想起しているのかもしれない。リアス式海岸の連なりを元日東天の曙光が影ふかく浮かび上がらせていて、肋骨のたとえがお見事」
2句目「岡村氏の句は軽い意外性のおかしさで、駈ける人などいるはずもない冬の古本街を駈けてゆく自分に驚いているのだ。冬の雲もぽかんとしている。」
これから俳句を始めようと思う方、又現在俳句でお悩みの方、必ずあなたの作風、俳句哲学に合った師がいるはずです。作句の基礎勉強を怠らずその機会を待ちましょう。あなたの俳句が大輪の花を咲かせるであろうと私は確信します。そして俳句があなたの人生の友となりますように。
◆<柏の宮・塚山公園吟行 俵木陶光 記>
四月十五日(金)
参加者:浦田久・堀秀堂・芳村翡翠・片山朝陽・安西円覚・鈴木双樹・岡村一道・俵木陶光
楽しみにしていた横浜吟行も大きな余震のため秋に延期し、急遽、浜田山から柏の宮・塚山公園を散策することにした。かっては日本興業銀行・三井不動産・新日鉄などのそれぞれ広いグランドの集っているところであり、井の頭沿線はこの種のグランドが多い所である。
柏の宮公園はかって太田道灌が鶴岡八幡の別殿を柏木某に建立させたことにさかのぼり、現在杉並区の公園になっている。
この日、爽やかな風が吹き、駅からの道にはすでに桜が散りはじめていた。
・そよ風にはらはらと散る花の道 久
・四十雀鳴ゐて吟行日和かな 陶光
以前プールだった池は、目高の学校となっていた。
・花弁(はなびら)をつついて遊ぶ目高の子 双樹
・光る池目高の学校休みなく 朝陽
池の先は傾斜地(いわゆる崖線ーがいせん)となり、松籟の音とともに爽やかな風が吹き上げていた。坂の下は一寸した田圃となり、田植、稲刈が行われる。
崖線の一角は日本庭園となり、隠れるように茶室もあった。
・水温む林丘亭といふ茶室 秀堂
この茶室は小浜藩主酒井忠勝の下屋敷に小堀遠州が造営し、それを後年ここに移築したものである。林丘亭の名の通りの場所である。
公園の広場に出ると花見の家族や犬と散歩の人たち、染井吉野は花吹雪となり、白い大島桜は今満開であった。
・そよ風や齢(よわい)重ねて花筵(むしろ) 円覚
・風光る公園デビューの犬仲間 秀堂
・たわわなる大島桜こぼれ初む 朝陽
・風に舞ふ花の哀しさ我身とも 円覚
テニスコートの脇を通り高井戸中学に隣接している三井森の公園(旧杉並区保護樹林)に入った。犬四手(いぬしでー別名 ソロ)の高木林の中のテーブルに坐って軽い昼食をとった。その間も遠慮なく犬四手の花殻がテーブルの上にも降っていた。
・弁当のやりとりもして春の昼 陶光
つぎに塚山公園を目指した。途中、インコの鳥籠を持った話好きの御婦人に会った。
・鳥籠と散歩の老婆花吹雪 陶光
・花吹雪浴びてパトカー疾走す 翡翠
そこは、いざ鎌倉橋? 鎌倉橋から神田川を覗くと桜の花片が川巾いっぱい埋め尽くしていた。
・花筏かき分けてゆく鯉一尾 翡翠
・風さわぐ鯉の頭上の花筏 円覚
・葉桜のちぎれて鯉の月桂樹 一道
塚山公園はもと朝日新聞社の所有地であったが、昭和48年築地の国有地と交換し、後ここは杉並区の公園となった。ここには旧石器時代から縄文時代中期にかけての集落跡があり、武蔵野台地最古の石器も出土している。竪穴住居の実物大模型もあり家族の往時の生活が見てとれる。
・春の宵縄文ファミリー甦り 久
・縄文の深鉢に春おしみけり 陶光
句会は風に用紙を飛ばされたりしながらも如何にも吟行の句会らしく、四人掛のテーブルに八人詰めるなど野趣あるものとなった。
・闌春の景となりたり吟行会 一道
句会終了後、駅の隣りの店に寄り込んでのどを湿らすこととなった。
横浜の吟行は秋に、また、来年の春には、スカイツリーが出来上がった新しい下町などを吟行する予定です。
◆次回の句会は、6月11日(土)午後1時半より4時
会場は、高井戸地域区民センター(仮設建物)第一集会室です。
兼題は走り梅雨・ビールです。
◆句会についてのお問い合わせ先:片山 惠夫(俳句会事務局長)まで
TEL042−675−9449
文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)
一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の数名の作品を紹介いたします。
・5月の作品の紹介
・5月の兼題は、春愁、新緑です。
◎山口満(俳号・月山)
・青銅の馬いななくや青嵐
・新緑やしづまりかへるダムの水
◎堀秀夫(俳号・秀堂)
・春愁やがれきの山の海静か
・春愁や「故郷」歌ふ合唱団
◎長岡隆司(俳号・帰山)
・葉桜や過ぎし月日の見えかくれ
・たかんなの耐震構造十二階
◎峯岸誠(俳号・まこと)
・囀りや瀬音の混じる懐古園
◎伊尾喜小夜子
・新緑や光の中へ子等の声
◎岡村一道
・新緑をのみ込む嬰児大欠伸
◆<私の一句> 岡村一道
・肋骨のごとく陸中初明り
・古本街吾だけ駈けて冬の雲
一句目が平成元年一月、二句目が平成元年二月に朝日俳壇金子兜太先生の天賞に選ばれました。昭和48年、あるきっかけがあり結社に入会し俳句を作りはじめました。それから約十年仕事は多忙でしたが月一回上野文化会館にて開かれる例会に出席し頑張ってきましたが私が未熟であったのか結社との相性が悪かったのかあまり評価されず俳句がつまらなくなっていました。その上業務の上でも多忙な年代を迎えたこともあり俳句をやめる決意をし結社を退社いたしました。それから五、六年業界の俳句同好会に加わる一方新聞俳壇の投句をはじめました。そして先の二句が俳句を人生の友としようと決意させ現在に到る大きなターニングポイントとなりました。
金子兜太評:1句目「岡村氏の句は旅吟と思うが、別のとき体験した陸中海岸を想起しているのかもしれない。リアス式海岸の連なりを元日東天の曙光が影ふかく浮かび上がらせていて、肋骨のたとえがお見事」
2句目「岡村氏の句は軽い意外性のおかしさで、駈ける人などいるはずもない冬の古本街を駈けてゆく自分に驚いているのだ。冬の雲もぽかんとしている。」
これから俳句を始めようと思う方、又現在俳句でお悩みの方、必ずあなたの作風、俳句哲学に合った師がいるはずです。作句の基礎勉強を怠らずその機会を待ちましょう。あなたの俳句が大輪の花を咲かせるであろうと私は確信します。そして俳句があなたの人生の友となりますように。
◆<柏の宮・塚山公園吟行 俵木陶光 記>
四月十五日(金)
参加者:浦田久・堀秀堂・芳村翡翠・片山朝陽・安西円覚・鈴木双樹・岡村一道・俵木陶光
楽しみにしていた横浜吟行も大きな余震のため秋に延期し、急遽、浜田山から柏の宮・塚山公園を散策することにした。かっては日本興業銀行・三井不動産・新日鉄などのそれぞれ広いグランドの集っているところであり、井の頭沿線はこの種のグランドが多い所である。
柏の宮公園はかって太田道灌が鶴岡八幡の別殿を柏木某に建立させたことにさかのぼり、現在杉並区の公園になっている。
この日、爽やかな風が吹き、駅からの道にはすでに桜が散りはじめていた。
・そよ風にはらはらと散る花の道 久
・四十雀鳴ゐて吟行日和かな 陶光
以前プールだった池は、目高の学校となっていた。
・花弁(はなびら)をつついて遊ぶ目高の子 双樹
・光る池目高の学校休みなく 朝陽
池の先は傾斜地(いわゆる崖線ーがいせん)となり、松籟の音とともに爽やかな風が吹き上げていた。坂の下は一寸した田圃となり、田植、稲刈が行われる。
崖線の一角は日本庭園となり、隠れるように茶室もあった。
・水温む林丘亭といふ茶室 秀堂
この茶室は小浜藩主酒井忠勝の下屋敷に小堀遠州が造営し、それを後年ここに移築したものである。林丘亭の名の通りの場所である。
公園の広場に出ると花見の家族や犬と散歩の人たち、染井吉野は花吹雪となり、白い大島桜は今満開であった。
・そよ風や齢(よわい)重ねて花筵(むしろ) 円覚
・風光る公園デビューの犬仲間 秀堂
・たわわなる大島桜こぼれ初む 朝陽
・風に舞ふ花の哀しさ我身とも 円覚
テニスコートの脇を通り高井戸中学に隣接している三井森の公園(旧杉並区保護樹林)に入った。犬四手(いぬしでー別名 ソロ)の高木林の中のテーブルに坐って軽い昼食をとった。その間も遠慮なく犬四手の花殻がテーブルの上にも降っていた。
・弁当のやりとりもして春の昼 陶光
つぎに塚山公園を目指した。途中、インコの鳥籠を持った話好きの御婦人に会った。
・鳥籠と散歩の老婆花吹雪 陶光
・花吹雪浴びてパトカー疾走す 翡翠
そこは、いざ鎌倉橋? 鎌倉橋から神田川を覗くと桜の花片が川巾いっぱい埋め尽くしていた。
・花筏かき分けてゆく鯉一尾 翡翠
・風さわぐ鯉の頭上の花筏 円覚
・葉桜のちぎれて鯉の月桂樹 一道
塚山公園はもと朝日新聞社の所有地であったが、昭和48年築地の国有地と交換し、後ここは杉並区の公園となった。ここには旧石器時代から縄文時代中期にかけての集落跡があり、武蔵野台地最古の石器も出土している。竪穴住居の実物大模型もあり家族の往時の生活が見てとれる。
・春の宵縄文ファミリー甦り 久
・縄文の深鉢に春おしみけり 陶光
句会は風に用紙を飛ばされたりしながらも如何にも吟行の句会らしく、四人掛のテーブルに八人詰めるなど野趣あるものとなった。
・闌春の景となりたり吟行会 一道
句会終了後、駅の隣りの店に寄り込んでのどを湿らすこととなった。
横浜の吟行は秋に、また、来年の春には、スカイツリーが出来上がった新しい下町などを吟行する予定です。
◆次回の句会は、6月11日(土)午後1時半より4時
会場は、高井戸地域区民センター(仮設建物)第一集会室です。
兼題は走り梅雨・ビールです。
◆句会についてのお問い合わせ先:片山 惠夫(俳句会事務局長)まで
TEL042−675−9449
文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)
◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時から4時まで、主として久我山会館で開催しております。(出席者は10名程度)
一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の2〜3名の作品を紹介いたします。
・4月の作品の紹介
・4月の兼題は、、桜または花です。
◎俵木 敏光(俳号・陶光)
・鯉の背を見せて上水花筏
・ワンカップ飲めば満開花の傘
◎片山 惠夫(俳号・朝陽)
・櫻並木空をかくして暮れにけり
・廃校に残りし櫻三分咲
◎鈴木 操
・鳴きそうな鶯餅を掌に受けて
・体操の指先のばす春の空
◎芳村 重徳(俳号・翡翠)
・黙祷の肩に降りくる桜花
◎長岡 隆司(俳号・帰山)
・満開といふ寂しさや花の昼
<私の一句> 山口 満(俳号・月山)
四月の定例句会の季題は「桜」であった。
桜と言えば、日本の国花とされている。因みにアメリカでは花水木、イングランドでは薔薇、フランスではアイリス、ドイツでは矢車草、など、いずれも各国の国花とされている。
此の岸も彼の岸もいま花の雲 月山
此の岸は煩悩の岸であり、彼の岸は極楽浄土の岸である。
遠くからの満開の桜の景色は、極楽図を見ているようで、これは、数年前の一句である。
この美しい日本列島は、北から南まで地震列島であることをいまつくづく思い知らされるのである。
去る三月十一日の東日本大震災に、世界中から「日本がんばれ」の支援が送られている。永い間俳句にいそしんでいた私は、その日以後しばらく俳句の発想もスッ飛んでしまった。四月に入ってやっと桜の三句を出句した次第である。その中の一句は、
「地震(ない)の跡桜前線訪ひゆかん」と記した。いま私のできることは、心ばかりの義捐金ぐらいで、無力さを感ずるばかりである。これは私の簡素な一句であるが、桜前線がこれから東北へ向かって旅を続け、多くの災害を受けられた方々へ、しばしの心に精気と、安らぎを、もたらされることを願うばかりである。
◆今回、横浜への吟行予定でしたが、度重なる余震のため中止になりました。が、近間に場所(浜田山駅→柏の宮公園→三井の森公園→塚山公園) を移して吟行を実施いたしました。
◆次回の句会は、5月14日(土)1時半より4時
会場は、高井戸地域区民センター(仮設建物)第一集会室です。
兼題は春愁・新緑です。
◆句会についてのお問い合わせ先:片山 惠夫(俳句会事務局長)まで
TEL042−675−9449
文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)
一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の2〜3名の作品を紹介いたします。
・4月の作品の紹介
・4月の兼題は、、桜または花です。
◎俵木 敏光(俳号・陶光)
・鯉の背を見せて上水花筏
・ワンカップ飲めば満開花の傘
◎片山 惠夫(俳号・朝陽)
・櫻並木空をかくして暮れにけり
・廃校に残りし櫻三分咲
◎鈴木 操
・鳴きそうな鶯餅を掌に受けて
・体操の指先のばす春の空
◎芳村 重徳(俳号・翡翠)
・黙祷の肩に降りくる桜花
◎長岡 隆司(俳号・帰山)
・満開といふ寂しさや花の昼
<私の一句> 山口 満(俳号・月山)
四月の定例句会の季題は「桜」であった。
桜と言えば、日本の国花とされている。因みにアメリカでは花水木、イングランドでは薔薇、フランスではアイリス、ドイツでは矢車草、など、いずれも各国の国花とされている。
此の岸も彼の岸もいま花の雲 月山
此の岸は煩悩の岸であり、彼の岸は極楽浄土の岸である。
遠くからの満開の桜の景色は、極楽図を見ているようで、これは、数年前の一句である。
この美しい日本列島は、北から南まで地震列島であることをいまつくづく思い知らされるのである。
去る三月十一日の東日本大震災に、世界中から「日本がんばれ」の支援が送られている。永い間俳句にいそしんでいた私は、その日以後しばらく俳句の発想もスッ飛んでしまった。四月に入ってやっと桜の三句を出句した次第である。その中の一句は、
「地震(ない)の跡桜前線訪ひゆかん」と記した。いま私のできることは、心ばかりの義捐金ぐらいで、無力さを感ずるばかりである。これは私の簡素な一句であるが、桜前線がこれから東北へ向かって旅を続け、多くの災害を受けられた方々へ、しばしの心に精気と、安らぎを、もたらされることを願うばかりである。
◆今回、横浜への吟行予定でしたが、度重なる余震のため中止になりました。が、近間に場所(浜田山駅→柏の宮公園→三井の森公園→塚山公園) を移して吟行を実施いたしました。
◆次回の句会は、5月14日(土)1時半より4時
会場は、高井戸地域区民センター(仮設建物)第一集会室です。
兼題は春愁・新緑です。
◆句会についてのお問い合わせ先:片山 惠夫(俳句会事務局長)まで
TEL042−675−9449
文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)
◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時から4時まで、主として久我山会館で開催しております。(出席者は10名程度)
一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を1人2句とし4名ずつ紹介いたします。
・3月の作品の紹介
・3月の兼題は、、水温む(みずぬるむ)、風船です。
◎岡村 一道
・爆弾でありし時代や紙風船
・観光船光る航跡水温む
◎浦田 久
・水温む恋のたはむれ神田川
・鷺一羽沢を歩きて水温む
◎安西 光昭(俳号・円覚)
・風船が割れて雲水悟りあり
・風船に飛び乗る吾子よ何処へ行く
◎中邑 雅子
・ふるさとの津波の報せ春寒し
・如月の空をひとつに千の風
◆俳句クイズ
<前回の正解>は次の通りです。
・つまづきて修二会の闇を手につかむ
(橋本多佳子)
・これよりは恋や事業や水温む (高浜虚子)
・春近き銀座の空を鴎飛ぶ (大谷句仏)
◆俳句クイズも丁度一年経ちましたので一旦終了し、三月からは「私の一句」を順に掲載いたします。
<私の一句> 俵木 敏光(俳号・陶光)
「思ふさま卒業生に春一番」 陶光
中央大学杉並高校から杉並支部に、毎年入学式や卒業式の招待状が届き交代で参加していた。数年前の卒業式には春一番が吹き荒れ卒業生に強烈な祝福を送っていた。特に女子は花束や記念品を胸に抱え、もう片方の手で髪や晴着の裾を押え必死で風に立ち向かっていた。これから受けなければならない試練の先鞭のようでもあった。
卒業も春一番も春の季語である。一句の中に季語が二つあると「季重ね」と云って嫌われるが、新しい一つの門出と一年の最初の季節とを結びつけたつもりである。春一番を大風吹く等とすることも出来るが、春や一番という字を使って祝いたかったのである。なお、歳時記には卒業の季重なりとして雪、北窓、巣箱などが見受けられる。
卒業生に対してエールを送った句にこんな句もある。
「これよりは恋や事業や水温む」 虚子
以前ある女子大で長年入学式や卒業式の司会をやっていたことがある。卒業式の晴着も年によって様々に変わった。クラスエートたちとは在学中最後の試験が終わってから久しぶりの再会であり、彼女達のおしゃべりを黙らせることは並大抵のことではなかった。式が終わって親達も引き上げると講堂は深閑として数人の職員が後片付けをするだけであった。入学式の準備もすでに始まっていた。
「卒業子去って講堂椅子ばかり」 陶光
◆次回の句会は、横浜港大桟橋・山下公園吟行句会です。集合場所と日時は、東急東横線・渋谷駅改札口前に4月15日(金) 午前10時です。
◆句会についてのお問い合わせ先: 片山 恵夫(俳句同好会事務局長)まで TEL 042−675−9449
文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)
一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を1人2句とし4名ずつ紹介いたします。
・3月の作品の紹介
・3月の兼題は、、水温む(みずぬるむ)、風船です。
◎岡村 一道
・爆弾でありし時代や紙風船
・観光船光る航跡水温む
◎浦田 久
・水温む恋のたはむれ神田川
・鷺一羽沢を歩きて水温む
◎安西 光昭(俳号・円覚)
・風船が割れて雲水悟りあり
・風船に飛び乗る吾子よ何処へ行く
◎中邑 雅子
・ふるさとの津波の報せ春寒し
・如月の空をひとつに千の風
◆俳句クイズ
<前回の正解>は次の通りです。
・つまづきて修二会の闇を手につかむ
(橋本多佳子)
・これよりは恋や事業や水温む (高浜虚子)
・春近き銀座の空を鴎飛ぶ (大谷句仏)
◆俳句クイズも丁度一年経ちましたので一旦終了し、三月からは「私の一句」を順に掲載いたします。
<私の一句> 俵木 敏光(俳号・陶光)
「思ふさま卒業生に春一番」 陶光
中央大学杉並高校から杉並支部に、毎年入学式や卒業式の招待状が届き交代で参加していた。数年前の卒業式には春一番が吹き荒れ卒業生に強烈な祝福を送っていた。特に女子は花束や記念品を胸に抱え、もう片方の手で髪や晴着の裾を押え必死で風に立ち向かっていた。これから受けなければならない試練の先鞭のようでもあった。
卒業も春一番も春の季語である。一句の中に季語が二つあると「季重ね」と云って嫌われるが、新しい一つの門出と一年の最初の季節とを結びつけたつもりである。春一番を大風吹く等とすることも出来るが、春や一番という字を使って祝いたかったのである。なお、歳時記には卒業の季重なりとして雪、北窓、巣箱などが見受けられる。
卒業生に対してエールを送った句にこんな句もある。
「これよりは恋や事業や水温む」 虚子
以前ある女子大で長年入学式や卒業式の司会をやっていたことがある。卒業式の晴着も年によって様々に変わった。クラスエートたちとは在学中最後の試験が終わってから久しぶりの再会であり、彼女達のおしゃべりを黙らせることは並大抵のことではなかった。式が終わって親達も引き上げると講堂は深閑として数人の職員が後片付けをするだけであった。入学式の準備もすでに始まっていた。
「卒業子去って講堂椅子ばかり」 陶光
◆次回の句会は、横浜港大桟橋・山下公園吟行句会です。集合場所と日時は、東急東横線・渋谷駅改札口前に4月15日(金) 午前10時です。
◆句会についてのお問い合わせ先: 片山 恵夫(俳句同好会事務局長)まで TEL 042−675−9449
文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)
◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時から4時まで、主として久我山会館で開催しております。(出席者は10名程度)
一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を2〜3名ずつ紹介いたしますが、今回は1人2句とし紹介者を増やしました。
・2月の作品の紹介
・2月の兼題は、、春炬燵(はるごたつ)、芽吹です。
◎峯岸 誠(俳号・まこと)
・窓外は淡雪しきり試験場
・庭石に仏飯載せて寒施行
◎関口 安生(俳号・静安)
・亡き猫をふと思ひ出し春炬燵
・庭園の芽吹きふはりと雲の中
◎浅沼 仁美子
・言ひかけて言葉途切れる春炬燵
・庭の木々縄を解かれて芽吹をり
◎伊尾喜 小夜子
・ものの芽の息吹聞こえし雑木山
・春耕の土の香りや朝日中
◆俳句クイズ
<前回の正解>は次の通りです。
・一月の川一月の・谷の中 (飯田龍太)
・初夢や・夜逃げ支度の姉と逢ふ (角川春樹)
・初場所や昔しこ名に・寒卯 (百合山羽公)
<今月の俳句クイズ>
アンダーラインの三つの中から一つ選んで下さい。作者の気持ちになってどうぞ。正解は次回で。
・つまづきて修二会の・闇・僧・土を手につかむ
(橋本多佳子)
・これよりは恋や事業や・寒明ける・水温む・山笑ふ
(高浜虚子)
・春近き・銀座の空・皇居の堀・多摩の岸辺を鴎飛ぶ (大谷句仏)
<早く知りたい方は、片山、安西(光)まで>
◆俳句クイズも丁度1年経ちましたので一旦終了し、三月からは「私の一句」を順に掲載いたします。
◆次回の句会は、3月12日(土)午後1時半より4時
会場は、久我山会館第一集会室(2F)です。
兼題は、水温む・風船です。
◆句会についてのお問い合わせ先: 片山恵夫(俳句会事務局長)まで 042−675−9449
文責・俳句同好会会長 俵木敏光(陶光)
一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を2〜3名ずつ紹介いたしますが、今回は1人2句とし紹介者を増やしました。
・2月の作品の紹介
・2月の兼題は、、春炬燵(はるごたつ)、芽吹です。
◎峯岸 誠(俳号・まこと)
・窓外は淡雪しきり試験場
・庭石に仏飯載せて寒施行
◎関口 安生(俳号・静安)
・亡き猫をふと思ひ出し春炬燵
・庭園の芽吹きふはりと雲の中
◎浅沼 仁美子
・言ひかけて言葉途切れる春炬燵
・庭の木々縄を解かれて芽吹をり
◎伊尾喜 小夜子
・ものの芽の息吹聞こえし雑木山
・春耕の土の香りや朝日中
◆俳句クイズ
<前回の正解>は次の通りです。
・一月の川一月の・谷の中 (飯田龍太)
・初夢や・夜逃げ支度の姉と逢ふ (角川春樹)
・初場所や昔しこ名に・寒卯 (百合山羽公)
<今月の俳句クイズ>
アンダーラインの三つの中から一つ選んで下さい。作者の気持ちになってどうぞ。正解は次回で。
・つまづきて修二会の・闇・僧・土を手につかむ
(橋本多佳子)
・これよりは恋や事業や・寒明ける・水温む・山笑ふ
(高浜虚子)
・春近き・銀座の空・皇居の堀・多摩の岸辺を鴎飛ぶ (大谷句仏)
<早く知りたい方は、片山、安西(光)まで>
◆俳句クイズも丁度1年経ちましたので一旦終了し、三月からは「私の一句」を順に掲載いたします。
◆次回の句会は、3月12日(土)午後1時半より4時
会場は、久我山会館第一集会室(2F)です。
兼題は、水温む・風船です。
◆句会についてのお問い合わせ先: 片山恵夫(俳句会事務局長)まで 042−675−9449
文責・俳句同好会会長 俵木敏光(陶光)
◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時から4時まで、主として久我山会館で開催しております。(出席者は10名程度)
一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を2〜3名ずつ紹介いたします。
・12月の作品の紹介
・12月の兼題は、十二月(師走など)、厄払い(厄年と関係なく)、寄せ鍋、年忘れです。
◎堀 秀夫(俳号・秀堂)
・十二月八日領海のことをふと
・あの頃は部課ごと温泉年忘れ
・寄せ鍋や交流深まる研修会
◎峯岸 誠(俳号・まこと)
・中締はエールに校歌年忘れ
・寄鍋と太き筆文字置行灯
・鎌倉宮土器(かわらけ)投げて厄払
◎関口 安生(俳号・静安)
・年忘れ暮れゆく山の夕景色
・十二月天空に立つオリオン座
・買物の籠に寄せ鍋肉魚
◆俳句クイズ
<前回の正解>は次の通りです。
・しみじみと秋を惜みぬ二三人 (三宅嘯山)
・木枯や鰯に残る海の色 (芥川龍之介)
玉のごとき小春日和を授かりし(松本たかし)
<今月の俳句クイズ>
アンダーラインの三つの中から一つ選んで下さい。作者の気持ちになってどうぞ。正解は次回で。
・父祖の地に・闇のしづまる・又年老いて・孫来て遊ぶ大晦日 (飯田蛇笏)
・冬の蝶・鵙(モズ)鳴きて・霜柱はがねのこゑをはなちけ里(石原八束)
・スケートの濡れ刃携へ・初滑り・人妻よ・街を行く
(鷹羽狩行)
<早く知りたい方は、片山、安西(光)まで>
◆次回の句会は、1月8日(土)午後1時半より4時半
会場は、高井戸区民センター第三和室です。
兼題は、除夜の鐘・七種(七草)・初烏です。
◆句会についてのお問い合わせ先: 片山恵夫(俳句会事務局長)まで 042−675−9449
文責・俳句同好会会長 俵木敏光(陶光)
一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を2〜3名ずつ紹介いたします。
・12月の作品の紹介
・12月の兼題は、十二月(師走など)、厄払い(厄年と関係なく)、寄せ鍋、年忘れです。
◎堀 秀夫(俳号・秀堂)
・十二月八日領海のことをふと
・あの頃は部課ごと温泉年忘れ
・寄せ鍋や交流深まる研修会
◎峯岸 誠(俳号・まこと)
・中締はエールに校歌年忘れ
・寄鍋と太き筆文字置行灯
・鎌倉宮土器(かわらけ)投げて厄払
◎関口 安生(俳号・静安)
・年忘れ暮れゆく山の夕景色
・十二月天空に立つオリオン座
・買物の籠に寄せ鍋肉魚
◆俳句クイズ
<前回の正解>は次の通りです。
・しみじみと秋を惜みぬ二三人 (三宅嘯山)
・木枯や鰯に残る海の色 (芥川龍之介)
玉のごとき小春日和を授かりし(松本たかし)
<今月の俳句クイズ>
アンダーラインの三つの中から一つ選んで下さい。作者の気持ちになってどうぞ。正解は次回で。
・父祖の地に・闇のしづまる・又年老いて・孫来て遊ぶ大晦日 (飯田蛇笏)
・冬の蝶・鵙(モズ)鳴きて・霜柱はがねのこゑをはなちけ里(石原八束)
・スケートの濡れ刃携へ・初滑り・人妻よ・街を行く
(鷹羽狩行)
<早く知りたい方は、片山、安西(光)まで>
◆次回の句会は、1月8日(土)午後1時半より4時半
会場は、高井戸区民センター第三和室です。
兼題は、除夜の鐘・七種(七草)・初烏です。
◆句会についてのお問い合わせ先: 片山恵夫(俳句会事務局長)まで 042−675−9449
文責・俳句同好会会長 俵木敏光(陶光)