活動報告 - 俳句同好会カテゴリのエントリ
◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時半から4時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
・9月の作品の紹介
・9月の兼題は、「蟋蟀(こおろぎ)」・「月」です。
俵木 陶光
・船上の支倉(はせくら)常長月に立つ
岡村 一道
・月明り湖底の村に人の影
長岡 帰山
・一刀に断ちし半月富士山頂
安西 円覚
・夕月夜灰降り続く錦江湾
片山 朝陽
・ちちろ鳴き地蔵の耳の膨らみて
芳村 翡翠
・黒猫の耳そば立てるちちろかな
浦田 久
・月光に浮かぶ原爆ドームかな
堀 秀堂
・出漁の準備整ふ月明かり
中邑 雅子
・灯を消して月呼び入れる山の宿
小林 美絵子
・星月夜亡き人と酌(く)む酒一合
坂井 百合子
・月浴びて風やはらかな帰り道
鈴木 健
・吹く風やこほろぎの声夜深し
澤田 かつみ
・瞑想やちちろ念仏鳴き止まず
関口 静安
・蟋蟀の始まる男性合唱団
◆ <私の一句>
子らの寝て 台所にて 梨を剥く 坂井 百合子
大阪の地で、2歳と0歳の子供たちを銀行の社宅で育てていた頃の
一句である。東京で長男が生まれて1歳4ヵ月の時に夫の転勤に伴い東京から茨城の日立市へ転居した。その出向期間1年の後、東京に戻れると思いきやまたまた、大阪市住之江区への転勤となった。
大阪へ転居して半年後に次男が生まれ、特に頼る親戚も近くにいない中、二人の子の子育てに奮闘する日々だった。幸い、社宅の奥さん同士で協力し合ったり、私自身が幼少期に大阪で育っていたこともあり、だんだん大阪の土地には馴染んでいった。大阪での毎日は子供2人が小さかったので、自分が一人で自由に行動できる時間はほぼなく、たまには一人で出かけたいと夫に頼んではみるものの、「三食昼寝付きの専業主婦が何が土日一人で・・・・」、などと言われ続けているうちに私はだんだん心が苦しくなっていった。正も負も両方の感情をなくせば楽になるかな、とも思った。
ある日小児科に子供を連れて行ったときにたまたま待合室で隣の席に座っていたおばさんに、私が日常のストレスをついこぼしたら、「子供が大きくなったら、あなた声を上げなさい」とおっしゃった。
そんな中、日経新聞の日曜版か何かに「歌壇・俳壇」という投句のコーナーがあるのに気付き、私はなんとなく投句してみたのである。短歌も作ってみた。家の中で子供たちと缶詰になっている時でも紙と鉛筆さえあれば遊べる・・・。俳句や短歌の先生に添削してもらえ、自分の句が載せてもらっているのを見つけると次の日曜日に新聞が来るのが待ち遠しかった。
今から13年ほど前の話である。当時の自分の句が載った日経新聞の切り抜き数枚を探したが、なぜか出てきてくれない。
あの時感情を全部なくしていたら子供たちを健全に育てることはできなかっただろう。俳句が、「ちょっと待った〜」、と私に教えてくれたのであろうか。
大阪の社宅に6年住んだ後、東京杉並区の社宅に転居し、その数年後、子供と私はアパートに移り現在にいたっている。
私は今少しだけ声を上げている。
◆10/15(火)に井の頭公園界隈の吟行(四句、当日提出)を予定しています。句会場は高井戸地域区民センターで13時30分からです。
また、10月定例句会も当日、合わせて行う予定です。定例句会の兼題は「秋の雲」・「当季(秋)雑詠」で三句提出です。
ハガキで10/5(土)までに片山惠夫まで投句して下さい。
片山惠夫の住所は、〒167−0051 杉並区荻窪1−36−16
メゾン・ド・ワルツ101
*吟行:10月15日(火)午前10時集合
集合場所は、JR吉祥寺駅南口歩1分「丸井 吉祥寺店」正面玄関入り口
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)(俳句会事務局長)まで
TEL 090−3145−2654
◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)
◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時半から4時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
・8月の作品の紹介
・8月の兼題は、「アイスクリーム(氷菓)」・「向日葵(ひまはり)」です。
俵木 陶光
・アイスクリーム雲より高き送電塔
坂井 百合子
・向日葵も黙祷ささぐ正午かな
長岡 帰山
・ミサイルの迎撃準備ひまわり咲く
芳村 翡翠
・向日葵の炎えてゴッホの空となり
安西 円覚
・ひまはりやいつかはきっと日輪に
片山 朝陽
・向日葵や明日を恃(たの)みて夜に立つ
峯岸 まこと
・地平線まで続く向日葵畑かな
澤田 かつみ
・向日葵や百万本を咲き誇り
中邑 雅子
・咲き続く花疎ましく夏負けて
小林 美絵子
・言葉数いつしか奪ふかき氷
浦田 久
・かき氷高くなれなれ童の瞳
本間 邦子
・買物のお供に倦みし子に氷菓
堀 秀堂
・休耕田向日葵畑に甦り
関口 静安
・こぼれ種成長早く向日葵に
◆ <私の一句>
神輿庫解きて眩しき朱の漆 峯岸 まこと
掲句は、白山神社(東京・文京区)への吟行句会での作品です。白山神社は五代将軍徳川綱吉の信仰を得た小石川の鎮守です。
今は、紫陽花で知られますが、見事なしだれ桜が本殿前にあります。傍らには町内の神輿倉があり、偶然、町内会の方が神輿庫の扉を閉じようとしていましたので中を拝見させていただきました。修理を終えた神輿を納めていたとのことでした。飾り金具だけではなく、胴回りや軒裏の朱が鮮やかでした。
この時の作品として、次の句も印象に残っています。
ふうわりと桜花散りゆく社かな
吟行は、平成18年4月9日でした。私が本格的に俳句に取り組んだ記念すべき日でもあります。
◆次回の句会は、9月14日(土)1時半より4時半
会場は、高井戸地域区民センターです。
兼題は、「蟋蟀(こほろぎ)」・「月」です。
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)(俳句会事務局長)まで
TEL 090−3145−2654
◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)
◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時半から4時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
・7月の作品の紹介
・7月の兼題は、「瀧」・「蛞蝓(なめくぢ)」です。
俵木 陶光
・なめくぢや迷ひの多き銀の道
岡村 一道
・みな夢をみるなめくぢはそらをとぶ夢
坂井 百合子
・なめくじり裸一貫どこへ行く
安西 円覚
・大仏の手の上這ふやなめくぢら
峯岸 まこと
・蛞蝓の銀の一筋山の神
芳村 翡翠
・はるか来てはるかへと去る蛞蝓(なめくぢら)
長岡 帰山
・音を消し己を消して瀧行者
片山 朝陽
・落日の光る西海瀧見ゆる
澤田 かつみ
・男体山(なんたい)を支へ華厳の滝光る
本間 邦子
・水しぶき浴びて佇む瀧の裏
中邑 雅子
・滝を見て帰る脳裏に滝の音
小林 美絵子
・若き日の母と見し白糸の滝
浦田 久
・瀧修行無念夢想の虚空かな
堀 秀堂
・千年も打たれ続けて瀧の石
関口 静安
・白糸の滝の一列並びおつ
五井 夢
・微睡(まどろ)みて天井桟敷の富士の瀧
◆ <私の一句>
近づいて来しほうたるはついとそれ 俵木 陶光
毎年6月の末、井の頭線久我山駅の周辺で蛍祭りを行っている。
第1会場は駅前の神田川沿い。第2会場は500メートル先の玉川上水。子供達が帰った9時過ぎ、幻想的な蛍の夜となる。
蛍は、亡くなった人の魂が小さな光となって戻って来る、とも語られている。その夜、一匹の蛍がすぐ近くまで来たので数ヶ月前に亡くなった妻ではないかと、思わず手を伸ばしたが、蛍はついとそれて行ってしまった。
女性の蛍に対する感性には独特なものを感じさせる。
・ゆるやかに着てひとと逢ふほたるの夜 桂 信子
・死なうかと囁かれしは蛍の夜 鈴木真砂女
・じゃんけんに負けて蛍に生れたの 池田澄子
男性の句も3句揚げておきたい。
・蛍火や疾風(はやて)のごとき母の脈 石田波郷
・人殺す我かも知らず飛ぶ蛍 前田普羅
・ほうたるほうたるなんでもないよ 種田山頭火
◆次回の句会は、8月10日(土)1時半より4時半
会場は、久我山会館です。
兼題は、「アイスクリーム」・「ひまわり」です。
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(俳句会事務局長)まで
TEL 090−3145−2654
◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)
◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時半から4時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
・6月の作品の紹介
・6月の兼題は、「鮎」・「時の記念日」です。
俵木 陶光
・鮎買ふて塩ぱっぱっと振りにけり
岡村 一道
・鮎の瀬や若き体臭吉祥寺
小林 美絵子
・満天の星空の下鮎眠る
片山 朝陽
・月光や静かにゆるる鮎の影
安西 円覚
・時の日や虫入り琥珀覗きをり
坂井 百合子
・時の日のいにしへを知る白鳳仏
浦田 久
・瀬戸凪に時の祭の出船かな
中邑 雅子
・時の日や時の眠れる異人館
長岡 帰山
・晩酌や時の記念日ゆるやかに
堀 秀堂
・時の日の和光の前に時間待つ
芳村 翡翠
・若鮎の遡上にしぶく堰の水
本間 邦子
・夕食は父の土産の鮎なりき
五井 夢
・鮎喰はばいのちの刹那ほのにがき
◆ <私の一句>
「くちなしの白よりもなお君の白」 小林 美絵子
5年前の私に、友人が句会に誘ってくれた。司会やナレーターをしているので、仕事柄俳句を読むことはあったが、自分で作ることなど考えたことも無かった。
丁度その頃、河東碧梧桐の「ミモーザを活けて一日留守にしたベッドの白く」を見て心の揺れを表してみたい!と思った。難しく考えず、いつもどうりの話ことばで良いらしく、それならと、その気になってしまった。
「くちなしの白よりもなお君の白」
私が初めて作った句である。
自分の俳句を声に出して読むと、また違った世界が広がる。視覚性はもちろん、口誦性も大切なのだと知る。不意に訪れる心の揺れを俳句にしたいと思った。
私はその心の揺れを花からもらうことが多い。
私が20歳の時だった。
「お嫁にいってお花も活けられなかったらどうするの!」大正生まれの母は私を強制的に駅前の「草月流いけばな教室」に入れた。母は花が大好きだったので床の間など無い家のなか、テレビの上 台所 お手洗い あちこち花が飾られていた。小さな庭は母が無造作に育てた草木でいっぱいで、洗濯物を干す時は細心の注意を払わなくてはならなかった。
くちなし 小菊 ばら 都忘れ 沈丁花 椿 梅 桃 つつじ 鈴蘭。
初めての華道教室で私は毎週花との出会いにすっかり虜になり、今週はどんな花に会えるかと待ち遠しく、美しい先生が80歳で教室を閉めるまで30年以上指導していただいた。人生に花は欠かせない。なんでもないことが、楽しく思えたり、思い出が美しく輝いたり、ついでに恋をしていた頃を思い出したり・・・。
今年もくちなしが美しく咲く季節がきた。
◆次回の句会は、7月13日(土)1時半より4時半
会場は、高井戸地域区民センターです。
兼題は、「瀧」・「蛞蝓(なめくじ)」です。
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(俳句会事務局長)まで
TEL 090−3145−2654
◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)
◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時半から4時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
・5月の作品の紹介
・5月の兼題は、「愛鳥週間」・「牡丹」です。
俵木 陶光
・愛鳥週間領空宣言声かぎり
岡村 一道
・牡丹(ぼうたん)をほめ能書を聞くことに
芳村 翡翠
・沈金の闇に咲きたる牡丹かな
長岡 帰山
・ぼうたんを揺らすは誰ぞ千の風
中邑 雅子
・咲き定まる牡丹の花の奢りかな
本間 邦子
・軽鴨の雛母を追ふ愛鳥日
安西 円覚
・とりあへず盥に入れし牡丹かな
片山 朝陽
・盲導犬牡丹のそばへ歩をゆるめ
澤田 かつみ
・牡丹一輪心を燃やすひとりかな
五井 夢
・バードディ人は鳥になりたくて酔ふ
小林 美絵子
・飛べそうな気がする愛鳥週間来(く)
堀 秀堂
・愛鳥週間おしゃべり雀の数も減り
峯岸 まこと
・長谷寺の登廊に沿ひ牡丹満つ
浦田 久
・愛鳥の日の囀りや空を切り
百合子
・鳥の日や鳥のカップに深煎りを
◆ 長岡帰山句集『観音』に寄せて 俵木 陶光
・くわんおんの御(おん)腰揺ぐ暮春かな
(渡岸寺十一面観音)
・観音の御(み)手のひとつに白牡丹
・観世音肩まろやかに夏は来ぬ
なお、句集『観音』(NHK俳句選者・神野沙希さん鑑賞分付き)ご希望の方は、長岡帰山さんまでご連絡下さい。連絡先は下記の通り。
電話 (03)3398−4481
◆ 旅吟 長岡 帰山
『観涛』ー釜山港まで
(13万8千トンのボイジャー・オブ・ザ・シーズ号より)
・大海は津波を忘れ雲の峰
・一と筋の航跡ながき夏の海
・夏の雲四方涯なき太平洋
・沖を見て昔みている夏の旅
・藍よりも青き薩摩の端午空
・夏雲を火の山に据え鳶の舞
・列島の最西端を航暑し
・うなさかは湾曲にして明易き
・行く春の潮渡り来し和仁博士
・暮れてなほ銀色の沖夏の雲
・また沈む陽を見て鎮む夏の航
・西日射す位置の変りて釜山港
・一湾に卯波をあつめ着岸す
・客船を出てそれぞれの日傘かな
・韓国の水脈引き帰る夕薄暑
・花嫁の船内あるく夏の宵
・夏の航盛装婦人杖つける
・長崎の風に脈打つ鯉のぼり
・巴里に航く夜の船あり彼岸西風
・大空はきのふの虹を記憶せず
◆次回の句会は、6月8日(土)1時半より4時半
会場は、高井戸地域区民センターです。
兼題は、「時の記念日」・「鮎」です。
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(俳句会事務局長)まで
TEL 090−3145−2654
◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)