活動報告 - 俳句同好会カテゴリのエントリ
◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時半から4時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
・2月の作品の紹介(アイウエオ順繰り回し)
・2月の兼題は、「立春」・「海苔」です。
浦田 久
・多摩川に春立つ息吹まぶしくて
岡村 一道
・立春や油を注ぐポンプ井戸
片山 朝陽
・炊きたての御飯にのせて今朝の海苔
五井 夢
・紅藻緑藻お魚だった日のわたし
小林 美絵子
・カーテンを替えてみようか海苔あぶる
坂井 百合子
・立春やようやく心あらたまり
澤田 かつみ
・立春の夢にSL走り来る
関口 静安
・立春を過ぎおだやかな日も近し
俵木 陶光
・海苔を掻く波やはらかき城ヶ島
長岡 帰山
・立春大吉赤一色の中華街
堀 秀堂
・ありたけの筏が命海苔の海
中邑 雅子
・街路樹の影やはらかし春立つ日
芳村 翡翠
・一湾の波の揺らぎや海苔日和
安西 円覚
・海苔買ふや思ひはすでに故里に
◆<私の一句> 俵木 陶光
「海苔を掻く波やはらかき城ヶ島」 陶光
北原白秋の詩が好きである。特に「城ヶ島の雨」。城ヶ島には3回行った。
30年程前の立春の日、何か心に充たされないものがあり、思い立って品川から電車に乗った。島中いたるところに野生の水仙が咲いていた。城ヶ島の断崖絶壁には無数の海鵜の洞穴があり、展望台もある。その辺から細い道を分けて海岸まで下りてみた。当時の句が残っていた。
数百の鵜の動かずに冬了る 陶光
帰りに寄った食堂で食べた魳(かます)が何とも旨かった。
2回目は15年程前の秋、「どんぐり」という同人誌の仲間5、6人で行った。
鵜の展望台からの細道は草に覆われて、見つけることは出来なかった。
3回目は数年前の3月、「すぎなみ学びの楽園」の探索会であった。偶然、長岡帰山さんご夫妻と一しょだった。この日も品川から京浜急行の終点、三崎口からバスで城ヶ島大橋を渡って大きな「城ヶ島の雨」の碑の前に立った。その近辺の岩礁では手拭で頬かぶりをした女性5、6人が海苔を掻いていた。城ヶ島公園では鳶が頭上近くを旋回していた。
春の鳶群れて房総影遠し 陶光
途中角川源義の句碑があった
火の島へ一帆指すよ芋の露 源義
帰りは目と鼻の先の三崎港に寄った。
2年前の春、高千穂・湯布院などを巡るツアーに参加した際、柳川では日本のベニスと言われている掘割の舟下りは妻にまかせ、ひとり白秋生家がある記念館へ寄り、ひとときを楽しんだ。
柳川の堀に浮かびし春の宵 陶光
◆次回の定例句会は、3月8日(土)午後1時30分〜4時
於 久我山会館
兼題は「囀」・「雛祭」です
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)(俳句会事務局長)まで
TEL 090−3145−2654
◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)
◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時半から4時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
・1月の作品の紹介(アイウエオ順繰り回し)
・1月の兼題は、「初富士」・「風邪」です。
安西 円覚
・意を決し二十句目指す風邪籠
浦田 久
・初富士や日の出と共に朱に映えて
岡村 一道
・鉄骨に最終初富士拝みけり
片山 朝陽
・初富士に宇宙の青を賜りぬ
五井 夢
・初富士の言霊(ことだま)の国幸多し
小林 美絵子
・風邪薬リボンを掛けて下さいな
坂井 百合子
・初富士に真白き今日をもらひけり
澤田 かつみ
・初富士や世界遺産を背負ひけり
関口 静安
・初富士や山中湖畔の里巡り
俵木 陶光
・きっぱりと初富士群青色の中
長岡 帰山
・初富士の紅(くれない)となる恵方かな
中邑 雅子
・白湯飲みて西高東低風邪ごもり
堀 秀堂
・母の背に初富士を指すこどもの手
芳村 翡翠
・とっつきの悪さが増して風邪男
◆<友人からの一句> 中邑 雅子
「坂道や一気に冬の空へのび」 大嶺 洋子
この句は盛岡在住の旧友の作で今から35年ほど前に彼女からのはがきの最後に書かれていたものです。それまで俳句といえば芭蕉の「古池や」や「静けさや」の句のように枯淡な心境を表現した文学ととらえていて、若い時はあまり縁の無いものと思っていました。この句によって身近な素材をそのまま取り上げて作ることができるのだとわかり、俳句に親近感を覚えたものでした。その後も彼女は折に触れて手紙やはがきの最後に近作として俳句を書いて送ってくれました。私はといえば俳句に親近感を覚えたといっても実際に作句して句会に参加するようになるには更に20年以上の時間がかかりました。
この「坂道や」の一句は平明な言葉と冬の空の清冽なイメージが北国育ちの私の心に激しくも懐しく迫ってきて忘れられない作品です。しかも私を俳句世界へ導いてくれるきっかけになった大切な一句です。
◆次回の定例句会は、2月8日(土)午後1時30分〜4時
於 高井戸地域区民センター
兼題は「立春」・「海苔」です
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)(俳句会事務局長)まで
TEL 090−3145−2654
◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)
◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時半から4時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
・12月の作品の紹介
・12月の兼題は、「兎」・「冬紅葉」です。
俵木 陶光
・神在りし白兎(はくと)海岸しぐれけり
岡村 一道
・氷河期を語る旅人啼兎
片山 朝陽
・友禅の肩に一葉の冬紅葉
長岡 帰山
・もとの枝散るとき見えし冬紅葉
峯岸 まこと
・岩滑る二段の滝や冬紅葉
安西 円覚
・ベランダに赤目の男兎飼ふ
坂井 百合子
・赤き眼は悲しき怒り白兎
中邑 雅子
・兎網仕掛けたりしと隠れ里
芳村 翡翠
・降る雨に艶めき立てり冬紅葉
小林 美絵子
・冬紅葉はさみし頁読み返す
堀 秀堂
・冬紅葉ランナーの息荒々と
浦田 久
・旅の宿庭の小径に冬紅葉
五井 夢
・嬰児(みどりご)のほっぺに透ける冬紅葉
関口 静安
・野兎や古墳の丘を横切って
◆次回の定例句会は、1月11日(土)午後1時30分〜4時
於 久我山会館
兼題は「初富士」・「風邪」です
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)(俳句会事務局長)まで
TEL 090−3145−2654
◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)
◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時半から4時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
・11月の作品の紹介
・11月の兼題は、「鯛焼」・「七五三」です。
俵木 陶光
・小突かれて神前にゐる七五三
岡村 一道
・親よりもポーズのきまる七五三
長岡 帰山
・鯛焼を裏返す路地パリは雨か
片山 朝陽
・鯛焼が三列縦隊大空へ
安西 円覚
・鯛焼を喰ひ病みつきの大僧正
鈴木 健
・鯛焼や胸どきどきと少年期
小林 美絵子
・アルバムのセピアの父母と七五三
芳村 翡翠
・こんな日もあったのかなあと七五三
中邑 雅子
・鯛焼のしっぽの先の焦げ目かな
坂井 百合子
・ぽっくりを響かせ小さき七五三
五井 夢
・ひざかかへ上目使ひの七五三
関口 静安
・思ひ出の施設の子等の七五三
沢田 かつみ
・鯛焼や明治の名菓今もなほ
浦田 久
・七五三軍服姿たりしときも
◆ <私の一句>
逆光の富士の残影秋の海 俵木 陶光
昨年の9月下旬10人程の友人と葉山の海岸を散策することになった。京浜急行の新逗子から海岸回りのバスに乗り、県立美術館に寄った。館内で軽い食事をとり外へ出ると急に雨が降って来た。典型的な時雨で隣接の「しおさい公園」に着く頃にはもう止んでいた。しおさい公園は元葉山御用邸の一部で、大正天皇崩御、昭和天皇皇位継承の地でもある。そこから一寸歩いて私学共済の「相洋閣」に着いた。「かながわ景勝50選」の海岸を眼下に遠くは富士山、江の島が見渡せた。夕焼けに染まった富士山はいつまでも消えずに残っていた。
翌日もずっと富士山が見えていた。大浜海岸、一色海岸などを散策し御用邸の裏に出、若い警官としばらくおしゃべりをした。一日海ばかり見ていると話し相手が欲しくなったったのであろう。
森戸神社に立ち寄ると富士山、江の島、裕次郎灯台、ヨットなどがよく見えていた。絵はがきのように。
◆次回の定例句会は、12月14日(土)午後1時30分〜4時
於 久我山会館
兼題は「兎」・「冬紅葉」です
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)(俳句会事務局長)まで
TEL 090−3145−2654
◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)
◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時半から4時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
今月は、定例句会と井の頭公園吟行を合わせて行いました。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
・10月の作品の紹介
・10月の兼題は、「秋の雲」・「当季雑詠」です。
俵木 陶光
・豪雨禍に天の詫び状秋の虹
岡村 一道
・デパートの屋上木馬秋の空
片山 朝陽
・もんじゃ屋を出て深呼吸秋の空
峯岸 まこと
・若き僧の掃き目律儀や秋の朝
長岡 帰山
・点眼を一滴落とす秋の空
芳村 翡翠
・箱根山に吹き寄せられし秋の雲
小林 美絵子
・泳ぐより溺れてみたし鰯雲
安西 円覚
・空は海群れて更なる鰯雲
中邑 雅子
・たぐりたる闇の深さや虫しぐれ
浦田 久
・天空におどる自画像夏の雲
坂井 百合子
・急ぎゆく職場へ今日も金木犀
五井 夢
・裏街道行くや細道月いづこ
堀 秀堂
・消えてゆく水平線上秋夕焼
関口 静安
・旅の夢覚めて一杯温め酒
<秋の吟行句会>
平成25年10月15日 於井の頭公園
俵木 陶光
井の頭恩賜公園は、大正6年に日本初の郊外型公園として開園し数年後には100周年を迎える。吟行当日は台風26号を気にしつつスタートした。
池畔に野口雨情の詩碑「鳴いてさわいで日の暮れ頃は葦(よし)に行々子(よしきり)はなりゃせぬ」の側に「思い出ベンチ」の一つがあり、長岡帰山さんの俳句「あきつ飛ぶ空の軽さのもどりけり」「冬木立影ふみあうて太極拳」のプレートがはめ込まれている。丁度10年目になる。そのあたりに湧水があり、神田川の源流となっている。
・秋雨に濡れて雨情の葦の詩(うた) 一道
・水澄んで帰山のベンチ古びたり 陶光
・神田川はじまる池の泡立草 一道
・貸ボートひしめき台風接近す 朝陽
道を隔てた井の頭自然文化園に、象のはな子に逢いに行った。昭和24年、タイから賜られ、上野動物園に5年、井の頭に60年過ごしている。
・秋のばら生れし年にはな子来る 美絵子
・敏捷なリスのごとくに秋の雲 円覚
・赤松の肌に流るる秋の雨 翡翠
園内を一巡し北村西望彫刻園に出た。長崎の平和祈念像の大きな原型は圧巻である。屋外にも様々な彫像が散在している。
・長崎の平和の像や秋深む 陶光
凡そ2時間余り、文化園を出て昼食をとり、句会場へ向かった。
◆ <私の一句>
「朝顔やきのふのこととなりしこと」 芳村 翡翠
中大杉並の俳句同好会「白木蓮」で俳句を始めて最初からの会員なので、もう10年以上になります。経験豊かな 俵木陶光先輩 の指導もあり、段々と俳句らしきものができるようになりました。このところマンネリを感じておりましたので、半年前から、新しい境地を開拓しようと、二つの試みに着手しました。
一つは、「河」という結社に参加して句会、投句を始めました。もう一つは、朝日俳壇に投句して、日本の代表的な俳人達の選に挑戦することです。
前者は月一回、句会に出席し、参加者の方々の講評を受けます。とくに女性の方々が多く、女性特有の鋭い感性には刺激されます。
後者、「朝日俳壇」の方は、なかなかの難関で、私も、毎日、かかさず二句ほど投句しておりましたら、半年ほど経って、やっと長谷川 櫂先生に拾われました。冒頭の句はその句です。それでも早い方だそうです。なんというほどの句でありませんが、五七五の上五に「朝顔や」と切れ字を使い、中七、下五を「きのふのこととなりしこと」にまとめてみました。
最近また、長谷川先生によりt次の句が一席入選しました。
「一瞥の鏡の中の己が秋」という句です。
先生の評では、「通りすがりにのぞいた鏡の中、人生の秋が映っていた。」とありました。まさにそのとおりです。
◆次回の定例句会は、11月9日(土)午後1時30分〜4時
於 高井戸地域区民センターで行います
兼題は「鯛焼き」・「七五三」です
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)(俳句会事務局長)まで
TEL 090−3145−2654
◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)