活動報告 - 俳句同好会 (白木蓮俳句会) (R.1.9.14)  No.115

俳句同好会 (白木蓮俳句会) (R.1.9.14)  No.115

カテゴリ : 
俳句同好会
執筆 : 
m-anzai 2019-9-23 12:18

◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
    
・9月の作品の紹介

・9月の兼題は、「団栗」・「当季雑詠」で3句です。
                出題:安西 円覚                
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・団栗の寝ん寝んころりころりかな     小林 一茶
・雀ゐて露のどんぐり落ちる落ちる     橋本 多佳子
・落城の碑を団栗の打ちにけり       加藤 三七子
・どんぐりの山に声澄む小家族       福永 耕二
・よろこべばしきりに落つる木の実かな   富安 風生
・盗掘の陵かも知れず木の実降る      加藤 安希子

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俵木 陶光

・どんぐりや縄文土器の深き壺


岡村 一道

・団栗や淋しき子には友となる


芳村 翡翠

・団栗やころころ転ぶ箱根山


長岡 帰山

・木の実独楽
(ごま)止まり木の実に戻りけり

安西 円覚

・女教師どんぐり投げて注意せり


片山 朝陽

・秋風や机の向を変えて見る


堀 秀堂

・団栗や不作を知らせる里の熊


山下 天真

・酒尽きるそこでお止めと秋の虫


関口 静安

・藪からし負けるもんかと蔦を取る


小林 美絵子

・どんぐりが星座のように散る玄関


中邑 雅子

・渡されし団栗の実の汗ばめり

 
坂井 百合子

・父と遊ぶ団栗独楽の記憶かな


五井 夢

・団栗も帽子かむりてバスの列


荻須 節子

・団栗や森の匂ひを握りしめ


菊池 幸

・団栗や手のひらで聞く山の声


山路 久美子

・すすき原穂を待ちわびて風の中


村林 小枝子

・ありあまる孫のやさしさ女郎花


吉野 かおる

・転げつつ団栗仰ぐ大き空


尾崎 淳子
・一両列車蜻蛉の群れと行く



◆私の一句                  
「一瞥の鏡の中の己が秋」  
芳村 翡翠(かはせみ)

 今年の夏は猛暑ともいえる厳しいものでした。日中は外を歩くのも辛い毎日でした。夕方になってやっと買い物や散歩に出かけるようにしました。地球温暖化のつけが一気に襲ってきたようで、房総半島は強風に襲われ、熱帯化したと思われる凶暴な夏でした。
私も鏡をみるたびに夏のやつれを痛切に感じておりました。
まさに一瞥の鏡の中に自身の秋を感じたことでした。
この句は六年ほど前、朝日俳壇の長谷川櫂先生の一席で選ばれたものです。

この句はルキノ・ヴィスコンティ監督の映画「山猫」を思い起こします。
この映画で主役のファブリツィオ公爵(バート・ランカスター)が鏡の中に、時代が変わり、それに付いていけない自分の老いと孤独を見るシーンがありました。
シチリアの名門貴族、サリーナ公爵ファブリツィオ家の紋章は「山猫」であります。映画の題名でもあります。イタリア統一戦争の渦中で没落する貴族の運命を描いた名作です。公爵の甥・タンクレーディ(アラン・ドロン)が「変わらずに生き残るためには、自ら変わらなければならない」と公爵に転身をせまりますが取り合いません。
  革命を機に資産をたくわえ、勢力を身につけた市長セダーラの美貌の娘・アンジェリカ(クラウデイオ・カルデイナーレ)にタンクレーディが恋をする。タンクレーディに思いを寄せる娘コンチェッタをよそに、ファブリツィオは新しい時代のために、二人の結婚の仲人を引き受けます。

 シチリアの貴族の舞踏会が盛大に行われます。
かって踊りの名手であったファブリツィオ公爵は請われるままにアンジェリカとワルツを踊ります。優雅な踊りに皆酔い痴れます。

  舞踏会が終わった明け方、ファブリツィオ公爵は家族を馬車で帰らせ、一人街を歩く。ファブリツィオは空の金星に向かって跪き、「いつになれば永遠の世界で会えるのか」と語り掛け、路地に消えます。
  
  
     

◆次回の定例句会は、10月12日(土)13時〜15時40分
                於 高井戸地域区民センター 
  兼題は、「紅葉」・「当季雑詠」の3句提出
                               
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090-3145-2654

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