活動報告 - 俳句同好会 (白木蓮俳句会) (R.1.7.13) No.113
◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
・7月の作品の紹介
(先月まで選句は陶光先生でしたが今月から各自選とします)
・7月の兼題は、「夏草」・「当季雑詠」で3句です。
出題:安西 円覚
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・夏草に延びてからまる牛の舌 高浜 虚子
・夏草に汽罐車の車輪来て止る 山口 誓子
・夏草や手ふれて見たき仏の朱 加藤 楸邨
・長柄大鎌夏草を薙ぐ悪を刈る 西東 三鬼
・伸びることのみに徹する夏の草 福田 甲子男
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俵木 陶光
・夏草や怒涛うけとむ城ケ島
岡村 一道
・キューポラの在りし街並夏の草
芳村 翡翠
・夏草や声なき兵士埋もれゆく
長岡 帰山
・夏草の匂ひ残して刈られけり
安西 円覚
・夕さりの夏草の中獣の眼
片山 朝陽
・廃線を覆い尽して夏の草
堀 秀堂
・夏草や夜空を飾る大文字
浦田 久
・夏草や溢れし緑に夜の露
山下 天真
・夏草や遥かな富士と背くらべ
関口 静安
・亀の鳴く老人ホームの甲羅焼き
小林 美絵子
・夏草へ四つ葉生まれる薄曇
中邑 雅子
・水門の鉄鎖の錆や草いきれ
坂井 百合子
・帰りたる子ら夏草の匂ひして
五井 夢
・火の用心!夏夜に淀む爺の声
荻須 節子
・秘密基地あつたはずだね夏の草
菊池 幸
・眉山(びざん)越え光となりぬ燕の子
山路 久美子
・極北にリラの香りと半月と
村林 小枝子
・くちなしの甘き香りや光る白
吉野 かおる
・夏草に補助輪外す男(お)の子かな
◆私の一句
蝶の旅この海峡を越へむとす 中邑 雅子
2年ほど前、晩秋の高知県立牧野植物園を高知を訪れた旧友と散策していた時のこと、珍しい蝶が群れて飛んでいる場所があり、カメラを手にした老婦人が私達に話しかけてきました。
「アサギマダラ、ご存知ですよね。”彼ら”はこの花『フジバカマ』が大好きなんですよ」
珍しいこの蝶は「アサギマダラ」でした。確かに”彼ら”はフジバカマの周辺を飛んでいて他の花へは移って行こうとしません。
更にその女性は、
「この蝶は『渡り』をすることで有名ですよ。私は今日この蝶を撮影に来たんです。」
そう言われて周りを見回すと何人かの人がカメラを構えてシャッターチャンスを狙っています。友人と私は納得して、しばしその風景を眺めたことでした。
後日、図書館で「アサギマダラ」についていくつか調べてみました。
「アサギマダラ」(マダラチョウの仲間)は翅の白っぽい部分が浅葱色(水色)にも見えることからこう呼ばれる。”彼ら”は春から初夏にかけて沖縄から北上し、本州などで世代交代した後、秋には南をめざして移動する。日本には移動する昆虫としてアキアカネやイチモンジセセリがいるが長い距離を移動するのはアサギマダラだけである。”彼ら”が「旅」をすることがわかったのは1981年なのでその生態や「旅」の謎は解明されていない点が多いが最近はマーキング調査でかなりの情報がわかるようになった。
基本的には近畿から東北地方にかけての標高1000m前後でヨツバヒヨドリという花の咲いている場所でよく見られるとのことですが、確かにフジバカマはヨツバヒヨドリによく似ています。秋の七草のひとつとしてよく知られているフジバカマはかって河川敷などで見ることができましたが今では絶滅危惧種になっています。
アサギマダラが「旅」をするとわかり、安西冬衛の有名な一行詩の、
「てふてふが一匹韃靼海峡を渡って行った。」を思い出し、恥ずかしながら「本歌取り」を試みたというのが本音です。ちなみに学術的には「蝶」は昆虫なので「一匹」ではなく「一頭」と数えるのだそうです。
◆次回の定例句会は、8月10日(土)13時〜15時40分
於 高井戸地域区民センター
兼題は、「踊」・「当季雑詠」の3句提出
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
TEL 090-3145-2654