活動報告 - 俳句同好会 (白木蓮俳句会) (H.30.6.9) No.100
◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
・6月の作品の紹介
・6月の兼題は、「入梅」・「当季雑詠」で3句です。
出題:安西 円覚
選句:俵木 陶光
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・大寺のうしろ明るき梅雨入かな 前田 普羅
・梅雨に入る仕立屋の灯は低きまま 香西 輝雄
・耳遠き父も火山も梅雨に入る 中沢 文次郎
・河骨に日は照りつつも梅雨入雲 西島 麦南
・ひそかなる恋そのままに梅雨に入る 桂 信子
俵木 陶光
・栴檀(せんだん)の風やはらかに梅雨を待つ
岡村 一道
・梅雨の夜やお化けもう出ぬ町外れ
芳村 翡翠
・黒猫のひげ振るわせる梅雨入りかな
長岡 帰山
・間を置きて鳴く山鳩や梅雨に入る
片山 朝陽
・二つ三つやがて蛍の夜迎ふ
安西 円覚
・枇杷を剥く皿に落つるや種一つ
中邑 雅子
・雲重し梅雨入宣言早々に
小林 美絵子
・梅雨晴れやワルツくるりと膝小僧
坂井 百合子
・あれもこれもやり残しつつ梅雨に入る
菊池 幸
・梅雨に入り輪島朝市傘の花
浦田 久
・梅雨寒や思はずセーターたぐり寄せ
堀 秀堂
・入梅や鉢の朝顔品定め
山下 天真
・走り梅雨雲が急かせる散歩道
五井 夢
・雨ぐつの林に蟻の梅雨流る
村林 小枝子
・古株に新芽あざやか紅蜀葵(こうしょっき)
◆<私の一句>
「月の兎(と)も季節真逆のリマの街」 堀 秀堂
私は南米のペルー共和国に第一次オイルショックの前後の2度(昭和48年7月と49年7月)都合55日間「共石」より出張で滞在した。石油業法で定める石油の低廉安定供給が使命だった。地球の裏側まで行ったが俳句の吟行でなく仕事であった。日本と真逆な環境へ来たのは、石油公団が主導する日本とペルー間の長期の「融資買油契約」締結交渉の為だった。エールフランスの南海の楽園タヒチ経由(給油のみ)のリマ行直行便で到着した。
団長は、石油公団副総裁谷川氏、ネゴシエーターは西村真田法律事務所長、企業側は、共石、日石の石油2社、商社は三井、丸紅、三菱の3社と川崎汽船の副総裁・常務・随行員・現地駐在員。ペルー側は国営石油会社ペトロペルー総裁ボビオ氏以下随行員とコフィデ(大蔵省)のロイヤー達。スペイン語、英語の環境下だ。物理的には、わが国の7月の夏からリマは冬の厚雲に覆われ太陽が出なく雨も降らなく現地の人の肌もぱさぱさして顔に生気がなかった。太平洋海岸砂漠地帯にあたりペルー寒流の影響もある。又、日本は軟水だがペルーは真逆の硬水で料理、酒の水割り、氷など口に入れると多数の日本人が腹を壊した。ペルーの人達は何でもないのに。もっとも腹を気にしつつも、お酒のピスコサワー、特産ウニを出すヴァイオリン・ケーナの生演奏へ行ったりした。混血美人ぞろいであった。南米では月の兎の餅つき姿が逆さまに見えると日本を出る時何人かに言われたが現地イキトス市で何度も見たが確認できなかった。
・アマゾンの月の江白き飛行艇 秀堂
リマ空港からアンデス山岳地帯を越えイキトス市の空港に降りスペイン風ホテルに泊まった。南米有数の保養地である。アマゾン川支流のマラニヨン川に面する都市で、リマの冬から一転、赤道直下の高温多湿の森林地帯にある。ペルー海軍の飛行艇とヘリコプターに乗り継いで北東の米中堅石油企業ゲッテイが開発に成功した鉱区に隣接のペトロペルー鉱区へ輸送してもらった。アマゾン川は対岸が見えないが支流は無数に分かれ多数の島々を形成し、点々と櫓が立っていた。その内のリグの回っている島に着陸し、深度別採土の地質含油量などデーターの説明を受けた。本件融資の買油契約対象のゲッテイの鉱区の油槽構造、広がり、地震探査解析データーなど石油公団でレクチャーを受け既に知っていた。無事、現地視察は終わった。
入江の、森の緑、水の青、白き飛行艇、白服の軍人の姿は美しかった。軍人も礼儀正しかった。リマへ帰る飛行機(一行2機に分乗)の上空からもリマ市街の美しい姿が見えた。月光も強く明るく照らし印象的だった。
◆次回の定例句会は、7月14日(土)13時〜15時40分
於久我山会館
兼題は、「夕立」・「当季雑詠」の3句提出
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
TEL 090-3145-2654
◆文責: 俵木 敏光(陶光)