活動報告 - 俳句同好会 (白木蓮俳句会) (H.30.3.10) No.97
◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
・3月の作品の紹介
・3月の兼題は、「春風」・「当季雑詠」で3句です。
<兼題「春風」について> 俵木 陶光
桜が咲いて春風に舞う。一年の始まりは爽々しい春から。
春風や堤長うして家遠し 蕪村
春風や女も越る箱根山 一茶
春風や闘志いだきて丘に立つ 高浜虚子
泣いてゆく向ふに母や春の風 中村汀女
東風(こち)の船汽笛真白く吹きやめず 山口誓子
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俵木 陶光
・ふる里を遠くキリンに春の風
岡村 一道
・神仏基督回教(かみほとけきりすといすらむ)絵馬の春
芳村 翡翠
・合格の決まりし窓に春の風
長岡 帰山
・春愁の置き処(どころ)なき我が身かな
片山 朝陽
・雪吊りや解かれて松の深呼吸
安西 円覚
・湯島天神鈴生りの絵馬梅香る
中邑 雅子
・雲の速さ鳥の速さや春疾風
坂井 百合子
・病床の君にも届け春の風
堀 秀堂
・春風の光織りなす波頭散る
山下 天真
・良寛の天上大風春の風
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五井 夢
・蜃気楼いつも遠のく法館(ほうやかた)
村越小枝子
・宅急便扉開ければ梅薫る
菊池 幸
・踏み出せぬ我の背を押し風光る
◆<私の一句> 中邑 雅子
「春光や名も知らぬ山迫り来る」
春は空からという言葉通り、3月も中旬を過ぎると太陽の光に力強さが感じられるようになり、季節が進んだことが実感されます。
高知に移り住んで8年目、7度目の春です。高知城の天守に上がって周囲を見渡すと急峻な四国山脈が横たわっています。「高知」というと南国の明るい海のイメージがありますが実際に住んでみると80%が山なのだとわかります。
生まれ故郷の久慈では遠島山(とおしまやま)(通称三角山)、高校生時代の盛岡では岩手山、東京ではJR中央線の電車から富士山を見ることができましたが高知市内からはそういうシンボリックな山を眺めることができません。そのことがとても残念で寂しい限りです。
それでも、春の日差しの中、四国山脈の稜線が眼前に迫って来るようになると「ああ、春が来たんだな」と思うのです。
◆次回の定例句会は、4月14日(土)13時~15時40分
於高井戸区民センター
兼題は、「卒業」・「当季雑詠」の3句提出
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
TEL 090-3145-2654
◆文責: 俵木 敏光(陶光)