活動報告 - 俳句同好会 (白木蓮俳句会) (H.30.2.10) No.96
◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
・2月の作品の紹介
・2月の兼題は、「早春」・「当季雑詠」で3句です。
<兼題「早春」について> 俵木 陶光
「早春」は一進一退ようやく「春」のスタートラインに立ったところ。
・帝釈天春奪ふ雪降らせけり 堀口 星眠
・扇屋に相席ありて一の午 岸田 稚魚
・鳩鳴いて烟のごとき春に入る 夏目 漱石
・浅春や音一つなき楽器店 土生 重次
・武蔵野の森より森へ春の虹 鈴木 花蓑
・天深く春立つものの芽を見たり 加藤 楸邨
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
俵木 陶光
・早春や一時(いっとき)ふはと風通る
岡村 一道
・五叉路には五叉路の歴史鶯餅
芳村 翡翠
・早春やひかりを浴びて野の仏
長岡 帰山
・噴水のつらら吐き出す鶴の口
片山 朝陽
・台所の隅に小さき紙雛(ひいな)
安西 円覚
・早春や女膝立て爪を切る
峯岸 まこと
・舟宿の軒に浮球春浅し
中邑 雅子
・早春や光の束をほしいまま
小林 美絵子
・ゆりかごに目覚めるいのち春の虹
坂井 百合子
・早春の光まぶたに集まれり
堀 秀堂
・早春の目覚める火山元白根
山下 天真
・早春の佳(よ)き日と決めて鳥集ふ
五井 夢
・早春の足音深深山を越え
菊池 幸
・流行風邪(はやりかぜ)背骨に染みる粥の味
◆<私の一句>
「セーターの似合う夜学の教師かな」芳村 翡翠
先日の朝日俳壇で、大串 章 先生の入選句です。
「似合う」でなく「似合ふ」という旧かなが適切でないかとの指摘がありました。とくに「かな」という切れ字との関係で。しかし往々にして新かなと旧かな、文語と口語の交り合った句を見かけることはあります。
このところ、過去の句に添削を加えて見かえしております。この添削の作業は芭蕉をはじめ、子規、虚子なども盛んに行っております。俳句の大事な作業の一つのようです。私の場合も、添削を経て、昔の句がいとも鮮やかによみがえることがたびたびあり、驚いております。私も日頃、多作多捨を心がけていますが、多作と多捨の間に推敲を入れると良いのではないでしょうか。「多作推敲多捨」です。自分の過去の句は宝の山だとも思います。また大家の場合、句集など何回も出版し、その度に修正されている場合もあります。そして原句を発表する前の段階の推敲のコツについて、芭蕉は、次のように述べています。「句調はずんば舌頭に千転せよ」と。
今朝ほどの訃報で 金子兜太 先生のご逝去が伝えられました。このところ朝日俳壇の選句も欠席されておられ、心配しておりましたが、残念です。98歳のご高齢で現役、よく頑張っておられました。朝日俳壇に投句を始めて5年の間、先生に5句ばかりお選びいただきました。懐かしい想い出となりました。ご冥福をお祈り申し上げます。 合掌
余談ですが、今回は、朝日俳壇の選者4人のうち、金子先生の欠席で、他の3人の選者が代行され、通常10句選句のところ、それぞれの選者が13句選句となり、しんがりの席に入ることができました。幸運でした。
◆次回の定例句会は、3月10日(土)13時〜15時40分
於高井戸区民センター
兼題は、「春風」・「当季雑詠」の3句提出
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
TEL 090-3145-2654
◆文責: 俵木 敏光(陶光)