活動報告 - 俳句同好会 (白木蓮俳句会) (H.29.12.9) No.94
◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
・12月の作品の紹介
・12月の兼題は、「十一月」・「当季雑詠」で計3句です。
<兼題「十一月」について> 俵木 陶光
1月から12月まで、数字を使った月の俳句にはそれぞれいい句がある。11月は字数が多いけれど。
・あたたかき十一月もすみにけり 中村草田男
・草や木や十一月の深大寺 星野麦丘人
深大寺の奥の石田波郷の「吹きおこる秋風鶴を歩ましむ」の傍らに師弟碑として建っている。波郷の墓は深大寺の墓地の中にある。
・峠見ゆ十一月のむなしさに 細見綾子
ふるさと丹波近くに帰って来たとき、葉が落ちて峠が透けて見えた時の想い。
・武蔵野は十一月の欅かな 松根東洋城 など
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俵木 陶光
・翼欲し十一月の空を飛ぶ
岡村 一道
・拡声器内緒話は冬空に
芳村 翡翠
・夕日入る十一月の四畳半
長岡 帰山
・胸中は引き潮ばかり冬の浜
片山 朝陽
・神の旅岬の風によろめきて
安西 円覚
・牛乳をごくり十一月に入る
関口 静安
・鴉鳴く十一月のベランダに
中邑 雅子
・霜月や等圧線の線の数
小林 美絵子
・姿見の傾き直す小春の日
坂井 百合子
・金色の落ち葉の森の小人たち
堀 秀堂
・明月や浜辺に寄せる波の音
山下 天真
・陽をまとひ十一月の鯉寄り来
五井 夢
・飛行機雲十一月の西の空
村林 小枝子
・全快し十一月の煮物膳
◆<私の一句>
鼻歌も音痴な母と十二月
父歌う昴を母と十二月 小林 美絵子
12月は忘年会などカラオケに行く機会も多くなります。
父は谷村新司さんの「昴」が好きで家でもよく歌っていたのですが、母は歌詞を良く聞いていないと曲目がわからないという風で、これはそのまま私が受け継ぎました。
もう30年ほど前でしょうか。後楽園が東京ドームに生まれ変わってのこけら落としの美空ひばりさんの公演は、テレビで何度も放送されあまりにも有名ですが、その陰ナレ(表には出ないで陰で場内アナウンスをします)を私が担当させてもらいました。東京ドームは広くアナウンスした自分の声が少し遅れてやまびこのように聞こえてくるのです。両親にも楽しんでもらいたく、あまり良い席ではなかったのですが招待しました。ステージが始まる前、場内の注意事項などをコメントして少し時間があったので、私のナレーションはどんな感じか両親の席まで感想を聞きに行ったら、「よく聞こえないわ〜」と残念な母の感想。観客の方々も興奮して大きな声でおしゃべりしていたのでそれもわかります。公演のタイトルコール「美空ひばり愛は不死鳥 歌は我が人生」はきっちり聞いてもらえたようで、少し親孝行できたと思いました。そのあとも父はテレビで美空ひばり東京ドーム公演が放送されるたび録画してビデオを渡してくれました。ほんの少し私の声が入っているだけなのに。
その後日本テレビの朝のワイドショー「ルックルックこんにちは」水曜名物「ドキュメント女ののど自慢」のレポーターを7年間務めることになり、両親はこちらも必ず揃って見てくれて、父は録画してくれていました。服装や髪型の感想は母の担当です。今になって両親の気持ちがわかり、懐かしく思い出します。
母を送るときは好きだったダンスの曲を。そして父を送る時は昴をかけました。
さて、私は何の曲にしましょう。
◆次回の定例句会(天賞句会)は、
1月20日(土)13時〜15時40分 於高井戸地域センター
*出席者は、千円程度の「天賞景品」を持参して下さい。
兼題は、「当季雑詠」の3句提出
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
TEL 090-3145-2654
◆文責: 俵木 敏光(陶光)