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活動報告 - 俳句同好会 (白木蓮俳句会) (H.29.11.4)  No.93

俳句同好会 (白木蓮俳句会) (H.29.11.4)  No.93

カテゴリ : 
俳句同好会
執筆 : 
m-anzai 2017-11-25 21:15

◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
※今月は「上野寛永寺・正岡子規庵」吟行がありました。句会は、1部:吟行句会、2部11月定例句会と11月4日(土)に合わせて行いました。

◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
    

・11月の作品の紹介
・11月の兼題は、「秋全般」で計3句です。

<兼題「秋全般」について>
 秋全般の中から名句を拾うとなると名句が多すぎて迷いが深くなる。とりあえず次の句が浮んだので並べてみた。
・荒海や佐渡に横たふ天の川(芭蕉)
・鳥羽殿へ五六騎いそぐ野分かな(蕪村)
・紫陽花に秋冷ひたる信濃かな(杉田久女)
・月光にいのち死にゆくひとと寝る(橋本多佳子)
・釣瓶落としといへど光芒しづかなり(水原秋櫻子)
・妻がゐて夜長を言へりさう思ふ(森澄雄)
・天平の花野に白きパンタロン(車谷弘)



俵木 陶光

・灯を刻む池対岸の秋深し


岡村 一道

・無花果の只管
(ひたすら)熟れて落ちにけり

芳村 翡翠

・秋晴れや箱根杣
(そま)道石畳

長岡 帰山
 
・晩年を頼る妹(いも)ゐて糸瓜(へちま))あり

片山 朝陽
 ・秋の水掬へば吾の生命線

安西 円覚
 ・銀杏をつけしまま行くハイヒール

中邑 雅子
・金木犀夜の帳(とばり)を厚くせり

小林 美絵子

・栗はむや馬籠の宿の小糠雨


坂井 百合子
 
・空高く鵯鳴き交はすこんな日は

浦田 久
・秋空や飛行機雲の大習字

堀 秀堂
・枯芝のゴルフボールを軽く打つ
        
山下 天真

・渓流や紅葉の便り早飛脚


五井 夢

・コスモスや池に手
(た)折りて空は さざ波

村林 小枝子

・つやつやと平たき顔の富有柿

                          
◆<上野寛永寺・正岡子規庵吟行記> 
               
俵木 陶光
・日時: 平成29年11月4日
・参加者: 安西 円覚(幹事)、岡村 一道、芳村 翡翠、
片山 朝陽、 堀 秀堂、小林 美絵子、
坂井 百合子、山下 天真、 俵木 陶光
 
 当日は秋日さんさん吟行日和で、午前10時JR鶯谷駅北口に集合した。この辺はラブホテルが軒を並べ連休中とも相まって若者達が沢山闊歩していた。丁度チェックアウトの時間のようだった。我々はこれから寛永寺を目指す。こちらが近道ということで正門からでなくお寺の裏口・通用門から入ることになったが一寸妙な感じであった。本堂の横手から回り込んで墓地に入り、天璋院・篤子の独立した一画の墓所の辺まで歩いた。
 そもそも寛永寺は、徳川三代将軍家光の時、江戸城の鬼門鎮護のため天海僧正が幕府の命を受けて創建したものである。広大な敷地も必要なところから藤堂家、津軽家、秀堂さんのご先祖・堀家などの諸大名の敷地の替地と引き換えに献上となり、2年半後に落慶することとなった。
   ・秋晴の吟行九人寛永寺    翡翠
   ・正面の根本中堂秋惜しむ   陶光
   ・銀杏黄葉仰げば流る空の河  百合子  
   ・鬼瓦紅葉ひとひらからめ落つ 天真
   ・天璋院の悲喜も埋れて冬紅葉 一道
   ・篤姫の墓所を透して薄紅葉  陶光 
 
 境内を散策の後、元来た道を戻り、子規庵に着いた。地図の上から見ると子規庵から根本中堂までは400m程であった。すでに女性を中心とした先客が手帳など広げていた。
 正岡子規は慶応3年(明治元年)生れ、夏目漱石と同年、今年は生誕150周年、明治150年でもある。明治27年からここ根岸の子規庵に越して来て、日清戦争の従軍記者となり、帰途舟の中で喀血しカリエスと診断され、妹・律の献身的な看病を受けていた。この子規庵に8年寝起きし、糸瓜(へちま)の3句を残し35才で死を迎えることになる。生前、律は子規の苦しい時に気が効かない、無器用だとよく言われていたこともあり、その後、律は共立女子大学の前身共立女子職業学校の裁縫科に入学し卒業後、職員・教員として合計20年在籍し教え子からは慕われていたようだ。

子規なき後の子規庵は母、妹、弟子達によって守られて来たが、昭和20年の空襲などで焼失し、同25年に再建された。
それから現在まで67年も経っている。庭には、十四五本もありぬべし、という鶏頭も植えられ、糸瓜も毎年苗から育てられている。部屋の中も子規生前の如く、子規も、虚子も、壁悟桐も近くにいるような感じがして来る。
   ・子規庵に鶏頭ひとつ枯れいたり   翡翠
   ・空青し鶏頭の花みな剪られ     美絵子
   ・文机のりんどうすくと兄妹     美絵子   
   ・命つなぐ子規の糸瓜の重さかな   百合子
   ・子規しのぶひょうたん記帳小春日に 秀堂 
   ・秋気澄む子規の向ひし机かな    朝暘
   ・子規の倍生きて空句(からく)や冬の雲 一道
   ・子規庵や天道虫の草わたり     円覚
   ・子規庵の小さき裏木戸冬来る    円覚

 この近くにもラブホテルが多かった。豆腐料理の「笹乃雪」が近くにあるので機会があったら一度行ってみたい、などと話をしながら句会場のある池袋へ向かった。句会場となった東京芸術劇場の中で軽食をとり、その中の一室で吟行句会の選句、続いて定例句会「秋全般」の選句となった。二つ続けて選句するのは大変ではあり、一考の余地がある。句会が終ってホッとしたところで近くの酒亭「いろはにほへと」へ寄って気分を休め、家路についた。
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◆次回の定例句会は、12月9日(土)午後1時〜3時40分
               於 久我山会館 
 兼題は「十一月」・当季雑詠で計3句です。

                                     ◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090-3145-2654

◆文責:  俵木 敏光(陶光)

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