活動報告 - 俳句同好会 (白木蓮俳句会) (H.29.5.13) No.87
◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。今回も新しい方の投句がありました。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
・5月の作品の紹介
・5月の兼題は、「初夏」・当季雑詠で計3句です。
俵木 陶光
・自転車にふわりと初夏の雲めざす
岡村 一道
・新緑をストローで吸ふ峠茶屋
芳村 翡翠
・初夏やカットグラスの藍の色
長岡 帰山
・鯉のぼり下ろして空の風吐かす
峯岸 まこと
・沼渡る木橋左右に花菖蒲
片山 朝陽
・恋蛍私の体は熱きまま
安西 円覚
・照らされて庭の飛石夏料理
中邑 雅子
・ペパーミントの風吹きぬけて夏兆す
浦田 久
・小糠雨はやくもみょうが顔を出し
堀 秀堂
・藤垂れて初夏の足利人の波
小林 美絵子
・初夏や外科医のように手を洗ふ
坂井 百合子
・崖線の実篤邸は初夏の風
関口 静安
・我が家のは金太郎なり武者人形
五井 夢
・きみの味昔とちがうね巡る初夏
山下 天真
・草取りや花に住処を明け渡し
◆<私の一句>
水澄みて富岳の湧水草踊る 浦田 久
今から43年前(昭和49年)の夏から私は、約4年間初めての単身赴任を経験しました。
赴任先は、伊豆半島を含む静岡県の東部地方を管轄する司法機関の支部でした。宿舎は沼津市に隣接する駿東郡清水町にあり駿河湾に注ぐ狩野川のほとりに位置していました。三階の部屋から窓を開けると視界一杯に霊峰富士の姿が目に飛び込んできて近くの森の静けさも加わり、改めて富士山を毎日眺めることのできる楽しみを感じたものでした。早朝には、未明の空が次第に明るくなり刻々と赤く染め上げてゆくご来光の神秘的な美しさに感動・魅了されてしまい、以来私は天気さえよければ未明には窓辺に座り込みご来光を拝することが日課の始まりになったことを懐かしく思い出します。
一方、職務の方は、親族・相続・戸籍法等に関係している家族問題の外、少年非行事件にも取組んでいたので、結構忙しくもあり、時には自宅に仕事を持ち帰って意見書を作成することもありました。東京へ帰省するのは月2回程度でしたので、土・日の余暇には、風光明媚・気候温暖と言われている静岡の自然に触れ合い、又地元の歴史・文化等の社会探訪に心掛けました。
ところで、清水町で生活するようになってから気付いたことは、飲料水がおいしいことでした。職場の友に聞いたところ清水町の飲料水は、天下の名水100選の上位にランクされており沼津市民の飲料水でもあるとのこと。水源地は、清水町を流れている柿田川で、その水は富士山からの伏流水の湧水であることを知りました。興味津々、好奇心旺盛な私は、ある日、散策と社会探訪の積りで地元の清水町役場に立ち寄り、そして柿田川の水源地を訪ねました。清らかな湧水の地は公園になっていました。湧水の透明度は抜群で水量は豊富、あまり深くもない川底を見つめると勢いよく伏流水が湧き出しており、昆布のような水草が激しく揺らぎ、その周りを数匹の鮎が元気よく泳ぎ回っている光景を観察することができました。それは恰もスケールの大きい水族館の大水槽の中のようにも見えて、楽しいひとときを過ごしたことを鮮明に思い出した一句です。
又、近くの八幡神社境内には、源頼朝と義経が初めて対面して兄弟の名乗りをしたという対面石があります。
◆次回の定例句会は、6月10日(土)午後1時〜3時40分
於 久我山会館
兼題は「父の日」・当季雑詠で計3句です。
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
TEL 090-3145-2654
◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)