活動報告 - 俳句同好会 (白木蓮俳句会) (H.28.9.10) No.79
◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。今回も新しい方の投句がありました。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
・9月の作品の紹介
・9月の兼題は、「残暑・秋暑し」・当季雑詠で計4句です。
俵木 陶光
・自転車のライト一すじ虫の原
岡村 一道
・軽鳥(かる)の子の無事を確認解散す
芳村 翡翠
・秋暑し色の褪せたる帽子かな
峯岸 まこと
・狩衣でコキリコを舞ふ夏座敷
片山 朝陽
・こおろぎや遥か太古の笛の音か
安西 円覚
・秋暑し乳房にタトウ有る女
長岡 帰山
・休み田の亀裂の深き残暑かな
中邑 雅子
・秋暑し咲き継ぐ花の色濃くて
小林 美絵子
・ねえバッタ空飛びたいと思わない
坂井 百合子
・帰りきて皆押し黙る残暑かな
五井 夢
・影纏ふ残暑に響くハイヒール
浦田 久
・風立ちて頬を撫でるも秋暑し
堀 秀堂
・雲の渦残暑の雨や降り過ぎる[size=lar
山下 天真[/size]
・間のびする烏一声残暑かな
村林 小枝子
・吹く風に見上げる空は鰯雲
上村 凱山
・がぶがぶと水呑む馬の秋暑し
寺崎 由岐子
・子らはしゃぐ声の遠のく残暑かな
◆<吟行>
小江戸 川越 俵木 陶光
最近テレビで「小江戸 川越」を見た。以前、帰山さん、元会員の郁子さんと川越へ出かけたことがあった。
まず喜多院を目指した。駅から15分、途中道端の一区画に寛永15年の大火で焼き出され、帰るところを失ったと思える石像群を見た。特に供養されている様も見えなかった。喜多院は北院で中院、南院もあり、南院は廃院となっている。
それぞれの向きに黴(かび)ある石地蔵 陶光
喜多院は慈覚大師が無量寿寺として開いたのが始まりで、その後天海僧上の着任により中院は寺域外に移され、喜多院から寺領30石を配当されたと言うから、さすが天海というべきか、中院の人達の心中や如何に。今の中院の庭は見事であった。
中院に梯子の見えて松手入 帰山
次に仙波東照宮に寄る。徳川家康70歳で他界し久能山に葬られ翌年日光に改葬される途上、川越に立ち寄り天海僧上により4日間に亘り大法要が営まれた。これまた天海。
売店で団子などを食べてひと休み。
奪衣婆(だつえば)に脱がされしまま蛇の皮 帰山
濃紫陽花玩具の如き太鼓橋 陶光
寛永15年の大火で喜多院も焼失したが、徳川家光は家光誕生の間、春日局の化粧の間などを移築し客殿などに当てている。
金色の阿弥陀如来や梅雨座敷 陶光
喜多院の廊下のきしみ梅曇り 郁子
境内に五百羅漢が祀られている。中央に釈迦如来、阿弥陀如来などの大きな石像を囲み、多くの 羅漢像が思い思いのポーズで屈託のない表情をしている。酒を酌み交わしている者など庶民の生活唄のある者など笑い声が聞こえて来るようであった。
羅漢みな福耳なりし木下闇 帰山
といふ訳さなどと羅漢に風薫る 陶光
泥棒橋を渡り外界へ出た。高さ27メートルの大銀杏、蔵造りの街並、時の鐘、菓子屋横丁などに立ち寄り、市役所の目の前「百丈」という手打そば屋に寄る。2時を廻っていたのでさっそく酒を注文した。
梅雨休み稲荷の銀杏青々と 郁子
蕎麦すする箸の高さに夏の風 帰山
ふと見れば白雨来てをり句座の窓 陶光
帰りは駅までタクシーに乗り別れを惜しんだ。
◆次回の定例句会は、10月8日(土)午後1時〜3時40分
於 久我山会館
兼題は「秋の風」・当季雑詠で計3句です。
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
TEL 090-3145-2654
◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)