活動報告 - 俳句同好会 (白木蓮俳句会) (H.28.5.14) No.75
◆句会は原則として毎月第2土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。今回も新しい方の投句がありました。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
・5月の作品の紹介
・5月の兼題は、「若葉」・当季雑詠で計4句です。
俵木 陶光
・無残なる熊本城や楠若葉
長岡 帰山
・恐ろしや若葉の森の土石流
中邑 雅子
・山彦を返して全山若葉かな
堀 秀堂
・若葉風市松模様の千枚田
峯岸 まこと
・騎馬歩む雑木林や若葉風
村林 小枝子
・造替(ぞうたい) の春日大社や山若葉
山下 天真
・凱旋門軍靴は遠し若葉風
芳村 翡翠
・昏れなずむ箱根連山若葉して
小林 美絵子
・やはらかき雨音を聞く花は葉に
坂井 百合子
・若葉風洗いざらしのシャツ泳ぐ
上村 凱山
・若葉道ころがしてゆく旅鞄
関口 静安
・一歩二歩散歩に光る若葉かな
安西 円覚
・机には写経の用紙柿若葉
浦田 久
・崩れゆく土砂に悲鳴の若葉かな
岡村 一道
・ひらがなの幼き便り傘雨の忌
片山 朝陽
・朝若葉晴れゆく霧の音すなり
五井 夢
・六根清浄老木(おいき)の若葉さんざめく
◆<私の一句>
哲人の貌にてさつき剪定す 岡村 一道
今まで真正面から人間の死に向き合ったことがない人間にとって、こんなに突然怪獣のごとく死が自分の前に現われるなんて想像もしていませんでした。入院から15日妻の命は呆気なく私の手をすり抜けてゆきました。
冒頭の句は平成元年加藤楸邨が朝日俳壇に選んでくれた句で妻の思い出が詰まった句です。花が好きで特に「さつき」は一時、五十鉢程育生していました。しわくちゃ顔の妻が「さつき」を剪定している時だけはギリシャの哲学者の顔のようだと言う句意です。妻を題材にした句は主観が強すぎてあまり評価されるものではありませんが、平成25年度NHK全国俳句大会にて
「今日妻の予定びっしり紺朝顔」
が特選に入りNHKホールにて表彰されたのは良き思い出になっています。
妻は旅立ってゆきましたが遺骨を自宅に祭ってある間ご近所の友人が遺骨の前で長時間妻に話しかけていたのが印象的でした。
「遺影に語る立話のごと葉の桜」
妻が生前残してくれた私にも出来るノート一冊分の簡単レシピのお陰で外食することなく毎日料理を作っております。最近はひとりでの生活リズムを作るべく、午前中は水泳、午後は俳句の本を読んだり、句を作ったりの生活です。
永年俳句を続けて来て本当によかったとつくずく思う今日この頃です。
◆次回の定例句会は、6月11日(土)午後1時〜3時40分
於 高井戸地域区民センター
兼題は「紫陽花」・当季雑詠で計4句(欠席投句者は3句)です。
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
TEL 090-3145-2654
◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)