活動報告 - 俳句同好会 (白木蓮俳句会) (H.28.1.9) No.71
◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
・1月の作品の紹介
・1月の兼題は、「去年今年」・当季雑詠で計3句です。
浦田 久
・快晴の天空仰ぎ初詣
岡村 一道
・初写真胴長短足縄文人
片山 朝陽
・柴犬のコマーシャル真似初笑ひ
五井 夢
・昨年(こぞ)に捨て今年ぞろめやババめくり
俵木 陶光
・水仙や波のきらめく城ケ島
中邑 雅子
・干支の字の太々とあり凧あがる
堀 秀堂
・休みなく救急センター去年今年
峯岸 まこと
・一湾を隔て岬に初日かな
芳村 翡翠
・歳時記を閉じて目を瞑ぶ去年今年」
小林 美絵子
・さようならころんでおきて去年今年
坂井 百合子
・帯借りに母を訪ねし去年今年
山下 天真
・外国語飛び交ふ浅草去年今年
村林 小枝子
・去年今年鐘は遠くの闇に消へ
安西 円覚
・駅の長きエスカレーター去年今年
◆<私の一句>
「箱根駅伝朝日の中へ疾走す」 俵木 陶光
十月の予選会から勝ち上がった中大の箱根駅伝第一走者はさっそうとした鉢巻姿で胸に赤いCの字が眩しかった。久々にカメラにとらえられたからである。今年はいいかなと思ったがやはり実力通り往路は20チーム中16位であった。翌日は一斉スタートから始まって更に繰上スタート。当然来年も予選会を待たねばならない。
<箱根駅伝無念残念無念なり 陶光>
近衛文麿氏の次男通隆氏の奥方節子さんの句集『糸ざくら』の中に「箱根駅伝見ていて炬燵ぬけられず」という句がある。
戦前3度も総理大臣となった公爵近衛文麿氏の私邸「荻外荘(てきがいそう)」が昭和12年より角川詩歌館の近くにあり、多くの政治家等の集まるところとなっていた。ところが昭和20年敗戦となり、マッカーサーから巣鴨プリズンへの出頭が命ぜられるや、天皇に類が及ぶことを恐れ、服毒自殺を遂げた。
『われ巣鴨に出頭せずー近衛文麿と天皇』(工藤美代子,H18)で著者はあと書でこう述べている。
「近衛は貴族の生れらしく誇りを捨てずに潔く全責任だけを負って、それが運命であるかのように天皇の御楯として命を絶った。近衛文麿という日本人がいたことを誇りに思う」と。
長男文隆氏は戦後ソ連に抑留され(昭和31年没)、次男通隆氏が節子夫人と住んでおられた。通隆氏も数年前亡くなられ、夫人は生まれ育った下町へ移られた。無人となった荻外荘は杉並区が歴史的建物として購入した。一昨年(H26.10)、節子さんを招いて荻外荘での思い出話を聞く会があった。偶然長岡帰山さんとも一しょだった。近衛家は元貴族の流れを汲む名家であるが、節子夫人は庶民感覚でざっくばらんの飾り気のない方で好感が持てた。俳句にもその感じが見てとれる。『糸ざくら』から数句紹介させて頂く。
・洒落気のなくなりし夫パリー祭 近衛節子
・とっくりのセーターを着て夫老いず 〃
・母の来て四温のうちに帰りゆく 〃
・女盛りを夏帯のしめつける 〃
・母看取るための往復法師蝉 〃
◆次回の定例句会は、2月13日(土)午後1時〜3時40分
於 高井戸区民センター
兼題は「日脚伸ぶ」・当季雑詠で計3句です。
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
TEL 090−3145−2654
◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)