活動報告 - 俳句同好会 (白木蓮俳句会) (H.27.8.8) No.66
◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時から3時40分まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
・8月の作品の紹介
・8月の兼題は、「夏草」・「当季雑詠」で計3句です。
小林 美絵子
・ブーロニュの森に忘れしソーダ水
坂井 百合子
・夏草や少年の夢駆け巡る
山下 天真
・遠雷に干し物しまふ妻の留守
村林 小枝子
・夏草の繁る弁天井の頭
安西 円覚
・鈴蘭やケーキ一つの誕生日
浦田 久
・むしってもむしってもなほ夏の草
片山 朝陽
・夏草の風呼ぶ程に伸びにけり
五井 夢
・夏草の刻みし指紋の青臭し
俵木 陶光
熱中症で亡くなった友人
・夏草や黄泉路もきっと暑からむ
長岡 帰山
・夏草や倒れてもなほ首を上げ
中邑 雅子
・密約のあるやも知れぬ夏の草
堀 秀堂
・のびのびと夏草を食(は)む羊たち
峯岸 まこと
・木もれ日や老鶯谺す札所道
芳村 翡翠
・夏草や戦車が間もなくやって来る
◆<私の一句>
「草にねて視界はすべて鰯雲」 俵木 陶光
鰯雲は微動だにもしていないようであったが、しばらく
閉じていた目を開けると動いているのが分かった。静寂な
秋のひとときであった。
山村暮鳥に私の好きな「雲」という詩がある。
その中の一つ。
おおい雲よ
ゆうゆうと
馬鹿にのんきそうぢゃないか
どこまでゆくんだ
ずっと磐城平の方までゆくんか
彼は明治17年上州の旧農の家に生まれ神学校に入り
代用教員として仙台、秋田、水戸などを転々とし、20
歳の頃、岩野泡鳴、三木露風などと交わり、大正13年
42歳で没した。
「雲」の序文でこう言っている。「詩が書けなくなれば
なるほどいよいよ詩人は詩人になる。だんだんと下手に
なるので自分はうれしくてたまらない」。
私も下手になっている。といっても私の方は単なる怠け
から来ているに過ぎないが。
暮鳥には、こんな詩もある
かへるでもとびこんだのかぼちゃんと水の音
「或る時(月夜の牡丹」
◆次回の定例句会は、9月12日(土)午後1時〜3時40分
於 高井戸地域区民センター
兼題は「秋風」・「当季雑詠」で計3句です。
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
TEL 090−3145−2654
◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)