活動報告 - 俳句同好会 (白木蓮俳句会) (H.27.2.14)  No.60

俳句同好会 (白木蓮俳句会) (H.27.2.14)  No.60

カテゴリ : 
俳句同好会
執筆 : 
m-anzai 2015-2-17 17:57

◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時半から4時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。


◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
    

・2月の作品の紹介
・2月の兼題は、「春隣」・「当季雑詠」です。


俵木 陶光
 
・飛行機雲崩れて春の近づきぬ

長岡 帰山
・箱蒔きの芽のつんつんと春近し

中邑 雅子 
・返本の本を重ねて春隣

堀 秀堂 
・猫肥えて家人難儀や春隣り

峯岸 まこと 
・一湾を隔て天城の薄霞

芳村 翡翠 
・箱根路の旅への誘ひ春隣

小林 美絵子 
・春隣湖北の風は輝きて

坂井 百合子 
・昨日より今朝は眩しき春隣

山下 天真
 ・七草や常は踏まれし野辺の草

村林 小枝子 
・春隣木々の蕾のふくらみて

安西 円覚 
・大仏の手に受け給ふ春の雪

浦田 久 
・春隣万物始動の息吹かな

岡村 一道 
・木柵に梅咲き尊皇攘夷かな

片山 朝陽 
・春隣メニュー膨らむ厨かな

五井 夢
・蒼天を光孕むや春隣




◆<私の一句>            

  「和田津海の彼の夏の声聞こえしか」
  坂井 百合子

 NHKの全国俳句大会で去年、一道さんの「今日妻の予定びつしり紺朝顔」の句が特選に選ばれ、表彰台に上がられたことでこの大会のことを知り、私は今回3句を初応募し、2句入選となった。
 私は常々、憲法第9条は絶対に変えてはならないと思っている。昭和20年の夏、敵に突っ込んで行くことのみを短期間に訓練され、片道の燃料を積んで雲の峰に消えて行ったまだあどけない少年特攻兵たち。人間魚雷として真っ暗な海の底へ散って行った海兵たち。爆弾を自らの体に巻きつけて敵の戦車の下に突進して行った陸軍兵たち。この世の残酷の極みをいやも応もなく受け入れざるを得なかった彼らの命の声が聞こえて来る。
 「和田津海」の漢字は、普通「渡津海」と書かれているが、柳原白蓮の「和田津海の沖に火燃ゆる火の国に我あり誰そや思われ人」、「あひがたき天と大地と和田津海と極みのはてに相倚るを見る」の歌で使われているので、今回の題詠「和」の句としてこの字を使った。


 

「見届けしけふの入り日や夏の果」


 これも入選句で、私は夏の終わり、晩夏の季節が特に好きである。生きとし生けるものたちが命をきらきら輝かせ、成長し、種を残し、夏のピークを迎えたのち、全てを焼き尽くした太陽はやがて衰え、陰りをみせる。人間の力の及ばない自然のことわりの中に、そこはかとないせつなさと美しさを感じるのである。この微妙な季節の移ろいの中、私は沈みゆく夕日を見ながら、「きょうのこの入り日こそが今年の夏の終わり」、なのではないかと毎年ひそかに思っている。
 「夏の果」という美しい響きには、時空を超えた命のつながりがこめられている気がして、私を魅了しつづけている。


 
 
◆次回の定例句会は、3月14日(土)午後1時30分〜4時
                 於 高井戸地域区民センター     
 兼題は「春の水」・「当季雑詠」で3句です。

◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
                 TEL 090−3145−2654

◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)

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