活動報告 - 俳句同好会 (白木蓮俳句会) (H.26.9.13) No.55
◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時半から4時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。俵木陶光選。
・9月の作品の紹介
・9月の兼題は、「踊」・「水澄む」です。
安西 円覚
・レイテ島での盆踊り死の近し
浦田 久
・水澄むや富岳湧水草踊る
岡村 一道
・背の赤子あやして踊る若き母
片山 朝陽
・水澄むや微動だにせぬ鯉二匹
五井 夢
・水澄むや一過濁流夢の跡
関口 静安
・宿坊の豆腐料理や水澄みて
俵木 陶光
・水澄むや月雨の海晴の海
長岡 帰山
・差し出せし指の先より踊り初む
中邑 雅子
・踊り子の花笠のまま水を飲む
堀 秀堂
・盆踊り真似てのりのり異邦人
芳村 翡翠
・水澄めり穂高連峰河童橋
小林 美絵子
・美しき大和ことばの盆踊
坂井 百合子
・見上ぐれば踊やぐらの男前
山下 天真
・盆踊り大悟(たいご)
の列が街をゆく
村林 小枝子
・早朝の水澄む川に鯉うれし
◆<私の一句>
「玄関の慰め水や広島忌」 芳村 翡翠
(平成26.9.15 朝日俳壇入選句)
広島に原子爆弾が投下された時、私は10歳で国民学校の生徒でした。当時広島市内の国民学校は閉ざされており、郊外の「五日市」の学校に通学しておりました。丁度学校の朝礼の時に原子爆弾の閃光と爆風を浴びました。
学校から市内の山の手の「己斐」にある自宅へむけ、広島電鉄と瀬戸内海との間の海岸道路をとぼとぼと、弟と帰ってまいりますと、市内の方向から、焼け焦げた皮膚を垂れ下げて、人々がよろめきながら逃げてくるのを見まして、子供心にも、これはたいへんなことだと思いました。
その際、沿道の一軒の家では、水を満々と満たしたバケツに柄杓をそえて玄関前に置いておられた方がいましたのを鮮烈に記憶しております。こんな酷い時にも、人を思いやる方がおられるのだなあと強く感じました。
「玄関の慰め水」は、その体験を述べたものです。「慰め水」という表現が、個人的な思い込みで、なかなか理解されにくいと思いましたが、まさか、長谷川櫂先生に選ばれるとは思いもよりませんでした。俳人の直感力により、とりあげていただいたものと思っております。
◆次回の定例句会は、10月11日(土)午後1時30分〜4時
於 高井戸地域区民センター
兼題は「秋出水」・「玉蜀黍(とうもろこし)」です。
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
TEL 090−3145−2654
◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)