活動報告 - 俳句同好会 (白木蓮俳句会) (H.26.5.10) No.51
◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時半から4時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
・5月の作品の紹介(アイウエオ順繰り回し)
・5月の兼題は、「夏野」・「玉葱」です。
五井 夢
・夏野原溶けて野となる子供たち
小林 美絵子
・父がいてカツ丼の玉葱が好き
坂井 百合子
・暮れるまで虫追ひかけし夏野かな
関口 静安
・放牧の風に波打つ夏野原
俵木 陶光
・月明の夏野に何かひそみゐる
長岡 帰山
・草笛を吹くたび広くなる夏野
堀 秀堂
・勝ち戦夏野を走る戦利品
中邑 雅子
・たのもしき玉葱の芽や厨事
峯岸 まこと
・北八ツの小祠(しょうし) 夏野に埋まれり
山下 洋一
・夏野にはゆれる木陰とにぎりめし
芳村 翡翠
・立ち昇る草の匂ひの夏野かな
安西 円覚
・児の帰宅夏野の匂ひ引っさげて
浦田 久
・球が飛び夏野に沈み雲隠れ
岡村 一道
・コーラスの一団過(よ) ぎる夏野かな
片山 朝陽
・思ひきりジーパン大の字夏野かな
◆<私の一句> 堀 秀堂
夏野くる庭の果樹の木萌え動く
昭和9年、私の生まれた台湾・台中市で敗戦、残留を経験。昭和22年の帰国まで、私の幼少年期は戦争の中にいた。私たちの住んでいた官舎の多くの庭は広く、夜はキヨン(注:狐の一種)が来たり、月下美人が花を咲かせたり、さすがに南方の台北市であった(それでも四季は有ったが)。この句は庭の風景で、多くの官舎では塀に沿って果樹が多く、バナナ、パパイヤは手を加えずに実った。特にバナナは熟したら自ら倒れ、根から新しい芽が生えて来てはまた実るので、塀の一角にとどめるのが大変であった。この句の動くとはそのさまでもある。もいでもそのまま食べられるが、八百屋の室(むろ)で塾させた方が美味であった。残りは大量に廃棄されていた。
台湾は蓬莱と言われ温暖で、米は二毛作、野菜、果物や砂糖キビも豊富、温泉、鉱物、ガス、石油、塩も産出し住みやすいところであった。 (つづく)
◆次回の定例句会は、6月14日(土)午後1時30分〜4時
於 久我山会館
兼題は「五月雨」・「海月」です
◆句会についてのお問い合わせ先: 安西 光昭(円覚)まで
TEL 090−3145−2654
◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)