活動報告 - 俳句同好会 (H.25.2.9) No.36
◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時半から4時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
・2月の作品の紹介
・2月の兼題は、「余寒」・「バレンタインデー」です。
俵木 陶光
・救急車見送る後の余寒かな
山口 月山
・八十を一つ過ぎたる余寒かな
岡村 一道
・心電図乱る余寒や美人医師
中邑 雅子
・写経せし手本の上の余寒かな
長岡 帰山
・生きるにも死ぬにも力霜柱
峯岸 まこと
・僧堂の魚板ささくれ余寒かな
芳村 翡翠
・なにもなしバレンタインの日も終はり
片山 朝陽
・メール終へ返事待つ間の余寒かな
安西 円覚
・しんしんと余寒の胸に師の送辞
本間 邦子
・病院のベッドの下の余寒かな
堀 秀堂
・スコップを求めそこねて雪厚し
五井 夢
・バレンタイン色即是空の春の虹
澤田 かつみ
・バレンタインデーかって美少年たりし日も
肥田 浩一
・余寒なほ膝のあたりに居座る気
◆ 蕪村のこと
俵木 陶光
芭蕉、蕪村、一茶と江戸の3大俳人を並べてみると句柄のやわらかな蕪村が好きである。また、画家でもあり、島崎藤村に先行する近代詩人でもあった。
<俳句ー3句程>
・夏河を越すうれしさよ手に草履
昨日行ったところの句と言っていい程、これぞ臨場感ある吟行
句。
・鳥羽殿へ五六騎いそぐ野分かな
歴史の空想句であるが保元・平治の絵巻物を見ているようである。
野分の中を鳥羽帝の離宮へ疾走してゆく蹄の音が聞えて来る。
・春の海終日(ひねもす)のたりのたりかな
俗語的な擬態語を使って海の情景とゆったりした気分が伝わって来
る。
<画家として>
蕪村の画の中で小品(17.7cm四方)ながら「十宜帖」4枚が国宝と
なっている(同時に池の大雅の「十便画帖」4枚も国宝)。その他「夜
色楼台図」「鳶・鴉図」「奥の細道屏風」など蕪村のすばらしさを感じさせる。
<自由詩とし>
近代詩の、島崎藤村の前に蕪村のこんな詩があった。
<北寿老仙をいたむ>(注:一部漢字・かなに書き換え)
君あしたに去りぬ ゆうべのこころ千々に
何ぞはるかなる
君を思ふて岡の辺に行きつ遊ぶ
岡の辺何ぞかくかなしき
たんぽぽの黄に なづなの白う咲きたる
見る人ぞなき
雉子のあるか ひたなきに鳴くを聞かば
友ありき 河をへだてて住みにき 今日は
ほろろとも鳴かぬ
(以下略)
◆次回の句会は、3月9日(土)1時半より4時半
会場は、高井戸地域区民センターです。
兼題は、「春場所」・「春の雪」です。
◆句会についてのお問い合わせ先: 片山 惠夫(俳句会事務局長)まで
TEL 090−8773−4881
◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)