活動報告 - 俳句同好会  (H.24.11.13)  No.33

俳句同好会  (H.24.11.13)  No.33

カテゴリ : 
俳句同好会
執筆 : 
m-anzai 2012-11-22 3:03

◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時半から4時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。

◆毎回、その月の作品を紹介いたします。

・11月の作品の紹介
・11月の兼題は、「秋全般」です。


俵木 陶光
 
・ねころんで見れば全天鰯雲
・流鏑馬
(やぶさめ) の八幡神社百舌鳥(もず) の声

山口 月山  
・ゆく秋やこの路地歩み五十年
・こぼれ萩風にたはむれ昏れにけり

岡村 一道 
・赤い羽根幾つ付ければ空飛べる

中邑 雅子 
・まとひたる風のあれこれ木の葉かな

肥田 浩一 
・飛びまはり地蔵からかふ赤とんぼ
・稲刈って稲架
(はざ)に投げる手受けとる手

・本間 邦子 
・末枯(うらがれ)の土手の下なる川速し

安西 円覚 
・蜻蛉去り草の匂ひの残りけり

片山 朝陽 
・秋寒や明日着る服に袖通す

長岡 帰山 
・新走りするめを裂きて宴とす

芳村 翡翠 
・沈黙のみちのくの野の野菊かな

・堀 秀堂 
・朝もやを小舟で参る秋の市 

浦田 久 
・虫しぐれ庭園に灯の入りたる

・峯岸 まこと 
畦道のうねりに沿ひて曼珠沙華

梅ちゃん(小学6年) 
楽しみはクリスマスの日プレゼント




◆ 石神井公園・三宝寺池吟行 
(11月13日 )
                            俵木 陶光

 石神井公園・三宝寺池は、井の頭公園と同様、湧水池で、巨木が生い茂り、石神井城址の名残も感じられて、武蔵野の豊かな自然に満ちている。
荻窪からバスで三十分程、子供達にも、歴史や自然に触れるいい野外教室となっている。今、晩秋から初冬に入ったところで、侘びも寂しさをも感じる季節である。池の端には厳島神社や水神社などの古刹も見える。

・吟行の三宝寺池秋深し  翡翠
・三宝寺池驚くほどの秋ありて  朝陽
・木道に落葉追ふ児の笑ひ声   一道
・秋惜しむ池に数多(あまた)の社あり   久

池の周囲には、巨樹なども多い。河骨(こうほね)は、俳句の上では夏の植物であるが、未だに艶やかな葉の間に鮮やかな黄色い花を見せていた。

・河骨のなを黄を点じ冬に入る   陶光

鳥たちも楽しげに飛び、潜り、餌を啄んでいた。翡翠の止まり木のある近くの木道にはカメラマンが十人ほど構えていた。

・鴨泳ぐ同じ速さで歩きけり    円覚
・秋の蝶空の青さに戻されて   朝陽
・池の底さみしかりしと鳰(にお)の貌   帰山
・敗荷(やれはす)に小虫が動く日向かな   一道
・翡翠の獲物叩くや水はねて   陶光
・魚の目の見上げる空に秋の雲   円覚

喧騒から隔絶した池に佇つと様々なことを思索、瞑想することになる。

・深秋や池面にゆらぐ明日の我   朝陽
・戦中派すでに晩年秋の池   翡翠

ここには、三宝寺池を含み、南面に流れる石神井川に至る一帯に石神井城があった。城と言っても石垣に囲まれ天守閣があると言うものではなく、空堀や土塁に囲まれた館が中心のものである。凡そ五百四十年程前、ここが戦場となった。

・道灌の馬蹄ひびくや朴落葉   帰山
・照姫の祠(ほこら)隠るるように冬   陶光

応仁の乱の最中、室町幕府の補佐役・関東管領 上杉定正の下にあった長尾景春が反乱を起こし、石神井城主 豊島泰経を味方につけた。これに対し上杉定正は家宰(かさい)太田道灌に命じ出陣させた。道灌は江戸城から、戸塚高田を経て(七重八重花は咲けども山吹のみの一つだになきぞかなしき)のエピソードはこのあたり、江古田の合戦で勝利し、荻窪八幡に戦勝祈願の槙(まき)一株を寄進し、石神井城に攻め入った。城は落ち、城主の娘 照姫が入水したと伝えられている。城主 豊島泰経は甥の北区にあった平塚城に逃れ、更に横浜の小机城に辿り着くが、その後の消息は不明である。太田道灌も上杉定正をよく盛り立てていたが、十年余り後、上杉同系の者に図られ暗殺されている。


当日の句会は、石神井公園ふるさと文化館で行ない、戻って荻窪駅前の酒亭に落ち着いた。

◆次回の句会は、12月9日(日)1時半より4時
会場は、角川庭園・詩歌館です。
兼題は、落葉・セーター です。


◆句会についてのお問い合わせ先: 片山 惠夫(俳句会事務局長)まで
                 TEL 090−8773−4881

◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)
 

  
   

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