活動報告 - 俳句同好会 (H.24.7.14) No.29
◆句会は原則として毎月第二土曜日の午後1時半から4時位まで、主として久我山会館・高井戸地域区民センター等で開催しております。(出席者は10名程度)一度ふらっと覗いてみて下さい。その上で、ぜひ仲間になって下さい。
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
・7月の作品の紹介
・7月の兼題は、「夏の海(川)・冷酒」 (注)川は大きな川(隅田川・多摩川など)
◎岡村 一道
・五千尺星手掴みの冷し酒
・礁(いくり)より白蛇百匹夏の海
◎俵木 陶光
・よぎりゆく浦賀水道夏の綺羅
◎山口 月山
・水はじく青年の肌夏の海
◎長岡 帰山
・大黄河五千キロ来て夏の海
◎浦田 久
・断崖に鷲の旋回夏の海
◎芳村 翡翠
・夏の河一筋光る闇の中
◎小坂 郁子
・夕靄の山眺めつつ冷し酒
◎片山 朝陽
・どの道を曲がってみても夏の海
◎本間 邦子
・鈍色(にびいろ)に輝く夏の信濃川
・◎五井 夢
・夏の浜脱ぎし義足の甲羅干し
◆詩歌散策
■石川啄木父子と高知 中邑 雅子
高知市には、いたるところに坂本龍馬を始めとして、幕末に活躍した人々に関する記念碑があり、その中に「啄木の父石川一禎終焉の地」のプレートがあることに気がつきました。
本来ならば、長男啄木夫妻の許で過ごすべきところを、啄木の姉トラ夫婦の許に身を寄せて、トラの夫(山本千三郎)が鉄道官吏だったため、その転勤に伴って各地を転々としたようです。
1925年に千三郎が高知出張所長として赴任した高知に共に来て晩年を過ごし、1927年、駅近くの官舎で七十六歳で没したとあります。
生まれ故郷からはるか離れた土佐の地に、老いた身を置いて一禎は何を思っていたのだろうかと、現在の私の身にどうしても重ねてしまいます。
若くして病没した息子啄木の歌を思い出すこともあったのでは・・・・。
そして、おそらくは、四国山地の、山並みが迫り、町に川が流れるこの地を岩手に似ていると感じ、「終の住処」として眼を閉じたのではないだろうかと思います。
歌碑は「啄木の父石川一禎終焉の地に歌碑を建てる会」が2009年9月に建立したもののようで、JR高知駅南広場の隅に建っていて、次の歌が刻まれています。
よく怒る人にありしわが父の
日ごろ怒らず
怒れと思ふ 啄木
寒むけれと衣かるへき方もなし
かかり小舟に旅ねせし夜は
一禎
石川啄木が二十六歳でこの世を去って100年。もう一歩踏み込んで、父一禎が残した歌稿を調べてみれば彼の人となりがわかったかもしれません。
私もこちらに住んで一年足らず。思いがけず岩手が生んだ漂泊の詩人との縁を感じてしまいます。まだまだ発見がありそうで、楽しみでもあります。
(24.4/25 岩手・盛岡の「館向(たてむかい)俳句会」の俳誌五月号より転載。
中邑雅子さんは岩手出身で現在高知市に住まわれてます。)
◆次回の句会は、8月11日(土)1時半より4時
会場は、高井戸地域区民センター第3集会室です。
兼題は、炎天・カンナです。
◆秋に石神井公園三宝寺池の吟行を予定しています。
◆句会についてのお問い合わせ先: 片山 惠夫(俳句会事務局長)まで
TEL 090−8773−4881
◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)
句会が終わると駅前の蕎麦屋でちょこっとやったりもします。
◆毎回、その月の作品を紹介いたします。
・7月の作品の紹介
・7月の兼題は、「夏の海(川)・冷酒」 (注)川は大きな川(隅田川・多摩川など)
◎岡村 一道
・五千尺星手掴みの冷し酒
・礁(いくり)より白蛇百匹夏の海
◎俵木 陶光
・よぎりゆく浦賀水道夏の綺羅
◎山口 月山
・水はじく青年の肌夏の海
◎長岡 帰山
・大黄河五千キロ来て夏の海
◎浦田 久
・断崖に鷲の旋回夏の海
◎芳村 翡翠
・夏の河一筋光る闇の中
◎小坂 郁子
・夕靄の山眺めつつ冷し酒
◎片山 朝陽
・どの道を曲がってみても夏の海
◎本間 邦子
・鈍色(にびいろ)に輝く夏の信濃川
・◎五井 夢
・夏の浜脱ぎし義足の甲羅干し
◆詩歌散策
■石川啄木父子と高知 中邑 雅子
高知市には、いたるところに坂本龍馬を始めとして、幕末に活躍した人々に関する記念碑があり、その中に「啄木の父石川一禎終焉の地」のプレートがあることに気がつきました。
本来ならば、長男啄木夫妻の許で過ごすべきところを、啄木の姉トラ夫婦の許に身を寄せて、トラの夫(山本千三郎)が鉄道官吏だったため、その転勤に伴って各地を転々としたようです。
1925年に千三郎が高知出張所長として赴任した高知に共に来て晩年を過ごし、1927年、駅近くの官舎で七十六歳で没したとあります。
生まれ故郷からはるか離れた土佐の地に、老いた身を置いて一禎は何を思っていたのだろうかと、現在の私の身にどうしても重ねてしまいます。
若くして病没した息子啄木の歌を思い出すこともあったのでは・・・・。
そして、おそらくは、四国山地の、山並みが迫り、町に川が流れるこの地を岩手に似ていると感じ、「終の住処」として眼を閉じたのではないだろうかと思います。
歌碑は「啄木の父石川一禎終焉の地に歌碑を建てる会」が2009年9月に建立したもののようで、JR高知駅南広場の隅に建っていて、次の歌が刻まれています。
よく怒る人にありしわが父の
日ごろ怒らず
怒れと思ふ 啄木
寒むけれと衣かるへき方もなし
かかり小舟に旅ねせし夜は
一禎
石川啄木が二十六歳でこの世を去って100年。もう一歩踏み込んで、父一禎が残した歌稿を調べてみれば彼の人となりがわかったかもしれません。
私もこちらに住んで一年足らず。思いがけず岩手が生んだ漂泊の詩人との縁を感じてしまいます。まだまだ発見がありそうで、楽しみでもあります。
(24.4/25 岩手・盛岡の「館向(たてむかい)俳句会」の俳誌五月号より転載。
中邑雅子さんは岩手出身で現在高知市に住まわれてます。)
◆次回の句会は、8月11日(土)1時半より4時
会場は、高井戸地域区民センター第3集会室です。
兼題は、炎天・カンナです。
◆秋に石神井公園三宝寺池の吟行を予定しています。
◆句会についてのお問い合わせ先: 片山 惠夫(俳句会事務局長)まで
TEL 090−8773−4881
◆文責・俳句同好会会長 俵木 敏光(陶光)